2019.04.29
2013年以来、初のプレーオフ進出を果たしたデンバー・ナゲッツは、サンアントニオ・スパーズとのファーストラウンド4戦を終えて2勝2敗。互いに白星を奪い合っている両チームは、4月24日(現地時間23日)にナゲッツのホーム、ペプシ・センターで第5戦を戦うこととなる。
スパーズのホーム、AT&Tセンターで行われたシリーズ第4戦は、ジャマール・マレー(24得点6アシスト)や先発に昇格したトーリー・クレッグ(18得点8リバウンド)の活躍もあったが、勝利の立て役者はやはりニコラ・ヨキッチだろう。
大黒柱ヨキッチは両チームトップの38分59秒プレーし、いずれもゲームハイとなる29得点12リバウンド8アシストと大暴れ。ターンオーバーもゼロに抑え、申し分ないパフォーマンスでナゲッツを勝利へと導いた。
23日(同22日)に地元メディア『The Denver Post』へ掲載された記事の中で、ヨキッチがオフェンス面で参考にしていたプレーヤーの名を明かしていたので紹介したい。
ヨキッチがNBA入り後に最も影響を受けた選手、それはスパーズのレジェンド、ティム・ダンカンだったという。「彼はたぶん、NBA史上でもトップ2か3には入るパワーフォワード。5度も優勝している男さ」とヨキッチは言う。
ダンカンのプレーを参考にしようとしたきっかけは、ルーキーシーズンにダンカンとマッチアップした時だったようだ。「最初のシーズンに、彼とマッチアップする機会があった。そこで彼は特にたくさん動いたわけでもないのに、あっさりと20得点を挙げていたんだ。僕はその時、彼に触れることもできなかった。何もできなかったんだ。彼はポジション争いをして、ピボットを巧みに使ってイージーショットを決めていたし、(チームメートへの)オープンスペースを見つけてパスを出したり、スクリーンをセットしたりしていた。だから僕は彼のプレーを何度も映像で見て、できる限り学んできたんだ」。
基本に忠実なプレーで、ダンカンはスパーズの大黒柱として長いあいだ君臨してきた。バンクショットやフックショット、フィンガーロールなどでペイントエリアから効果的に得点し、ディフェンスでもスパーズ最後の砦として絶大な働きを見せてきた。ダンカンは資格さえ得ることができれば、バスケットボール殿堂入りも間違いなしのレジェンドである。
もっとも、現時点でヨキッチとダンカンを比較するのはさすがに酷だろう。ディフェンス面でもリーグトップレベルの実力を誇ったダンカンと、ヨキッチの差は大きく開いているというのが現状だ。
それでも、ナゲッツのマイケル・マローンHCは第4戦で見せたヨキッチのディフェンスをこのように絶賛していた。
「ニコラ・ヨキッチについて私が最も誇らしいのは、彼が見せてくれたディフェンスなんだ。献身的な姿勢とエナジー、そしてプライドを持って臨んでいたからね。ピック&ロールやポストアップであろうと、コートで見事なプレーを見せていたよ」。
攻防両面で大活躍を見せたヨキッチ。偉大な先輩ダンカンのように、攻防両面でリーグトップレベルの実力をつけることができれば、センターというポジションでは鬼に金棒となるだろう。
はたして、ナゲッツが誇るオールスターセンターは、スパーズとの第5戦でチームを勝利へと導き、シリーズ突破に王手をかけることができるのか。ヨキッチが繰り出すプレーの数々は必見だ。
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