2018.12.22

ナゲッツが誇る万能型ビッグマン、ニコラ・ヨキッチが参考にしていたプレーヤーとは?

キャリア通算18度のトリプルダブル達成を誇る4年目のヨキッチ[写真]=Getty Images
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パサーとしての能力にも優れたビッグマンたちのプレーを見てきたヨキッチ

 12月21日(現地時間20日)、NBAレジェンドのチャールズ・バークリー(元フェニックス・サンズほか)が『ESPN』の番組内で「現時点における今季のMVP最有力候補はヨキッチだ」と絶賛した。

 ヨキッチとは、デンバー・ナゲッツをけん引する万能型ビッグマン、ニコラ・ヨキッチのこと。213センチ113キロの体格を持つヨキッチは、決して身体能力に恵まれているとは言えないものの、しなやかな身のこなしと持ち前のオールラウンドなプレーで活躍を続けている。

 すると22日(現地時間21日)、地元メディア『Mile High Sports』のTJ・マクブライド記者は、この日行われたナゲッツの練習後、ヨキッチがシャックことシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)のことを「バスケットボール史上、最も支配的な選手」と語っていたと報じた。

シャックはペイントエリアを牛耳り、相手ディフェンダーを何度も蹴散らした[写真]=Getty Images

 また、これまでどんな選手のプレーを見てきたのかと聞かれたヨキッチは、こう答えていた。

 「シャック、ビル・ウォルトン(元ポートランド・トレイルブレイザーズほか)、アキーム(・オラジュワン/元ヒューストン・ロケッツほか)、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、ダーク・ノビツキー(ダラス・マーベリックス)、ボリス・ディアウ(元フェニックス・サンズほか)。僕は昔の選手と今の選手によるミックスプレー集を見るのが好きなんだ」。

 シャック、ウォルトン、オラジュワンはいずれもバスケットボール殿堂入りを果たしたビッグマン。2016年に現役を引退したダンカンも、資格さえ得れば、即座に殿堂入りするに違いない。この4選手は得点力だけでなく、ビッグマンながらパサーとしても優れていたことでも知られる。

キャリア18シーズンのうち、6シーズンで平均3.0アシスト以上を残したオラジュワン[写真]=Getty Images

キャリア4年目ながら通算トリプルダブル達成数で外国籍選手史上1位に君臨

 ヨキッチは1995年生まれの23歳。そのため、ノビツキーがNBA入りした98年はまだ3歳だったことになる。ドイツ出身のノビツキーが魅せる華麗なスコアリングショーは、セルビア出身のヨキッチの胸にも響くものがあったのだろう。

 最後に挙がったディアウは、今年9月7日(同6日)に現役引退を表明したフランス出身のオールラウンダー。203センチと、インサイドでプレーするには身長が低かったものの、113キロで横幅のある体格をうまく活用することでカバー。

 オールラウンドなプレーに定評があったディアウは、アトランタ・ホークスからサンズへ加入した直後の05-06シーズンに平均35.5分13.3得点6.9リバウンド6.2アシスト1.0ブロックをマークし、最優秀躍進選手賞(MIP)に輝いた。

独特の間と視野の広さが光ったディアウ。1試合最多アシストは16本を誇った[写真]=Getty Images

 また、スパーズの一員としてプレーした14年のNBAファイナルでは、マイアミ・ヒートを相手にシリーズ平均6.2得点8.6リバウンドに加えてシリーズトップの5.8アシストを挙げる最高のおぜん立て役を演じ、4勝1敗で制したスパーズの優勝に貢献している。

 ヨキッチのプレースタイルは、ポストプレーからドライブ、ジャンパーに3ポイントと何でもこなすのだが、その隅々に、レジェンドたちがコートで見せていたプレーをほうふつとさせるものがある。

 そのため、ヨキッチは近代ビッグマンにおけるハイブリッド版と言っていいのかもしれない。すでに外国籍出身の選手として史上最多となる18度のトリプルダブルを達成している真の万能型ビッグマンは、今後もバスケットボール界に自身の足跡を残していくに違いない。

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