第3Qの猛攻を黒子役としてサポートするも、7針を縫う裂傷を負う
6月8日(現地時間7日)に行われた「NBAファイナル2019」の第4戦。トロント・ラプターズはゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に13点差で勝利したことで、シリーズ戦績を3勝1敗とし、フランチャイズ史上初の優勝に王手をかけた。
この試合、ラプターズは4点ビハインドで迎えた第3クォーターにカワイ・レナードが1人で17得点をたたき出すなど、37-21とウォリアーズから逆転し、大量リードを奪う猛攻を見せた。
その中で、ラプターズのシックスマンを務めるフレッド・バンブリートは両チームトップの5アシストを記録。後半にスターターとして出場したバンブリートは、後半最初の得点となったレナードの3ポイントをアシストするなどラプターズの猛攻をサポート。第4クォーターには最初のポゼッションでリードを15点へと広げる長距離砲をヒット。
ところが、残り9分35秒にショーン・リビングストン(ウォリアーズ)がリング下でショットを放って着地する際、左腕がバンブリートの右目付近に激突。コートに倒れたバンブリートは、右目の下あたりから出血し、ロッカールームへ。
眼窩骨折の恐れもある中、裂傷部を7針縫ってベンチに戻ると、チームメートたちの戦いを最後まで見守っていた。途中退場になったものの、バンブリートは第4戦で約29分プレーして8得点4リバウンド6アシストと、シックスマンとして貴重な働きを見せた。
11日(同10日)にラプターズのホーム、スコシアバンク・アリーナで行われるシリーズ第5戦。追いつめられた王者ウォリアーズが襲い掛かってくることが予想される中、シリーズ平均33.4分12.8得点3.0リバウンド3.0アシスト1.5スティールを残すバンブリートは、ラプターズにとって不可欠な存在なのは間違いない。
人生初のマウスピース着用で臨む第5戦、チームにおける立ち位置について言及
10日(同9日)の午後、バンブリートは『ESPN』をはじめとする複数の現地メディアの前で、第5戦に出場することを明言。「家に帰ってから病院に行ってCTスキャンをとったんだ。その結果、顔面に骨折はいっさい見られなかったことがわかった。それで、歯医者に行ってから家に戻って寝ていた」とバンブリート。
リビングストンとの衝突により、歯も折れてしまったバンブリートは、第5戦で人生初のマウスピース着用で臨むという。
「僕はマウスピースをつけるのがイヤなんだ。僕はギャンブラーだからね。でも子どもたちが見ているから、マウスピースを着用しなきゃいけないと思った」とバンブリートは言う。だが、「ちょっと変な感じになるだろうね。できるだけマウスピースを付けていようと思ってるけど、たぶん試合中のどこかの時点で放り投げてしまうと思う。ただ、なるべくそうならないようにトライするよ」と語った。
ファイナル4戦を終えた時点で、バンブリートはチーム4位のプレータイムに加え、チーム5位の得点を挙げているほか、ステフィン・カリー(ウォリアーズ)を疲弊させるディフェンスなどで活躍を続けている。バンブリートも、自身の立ち位置を十分理解しているという。
「このチームと組織において、僕がどれだけ重要なのかは理解してるし、自分がどれだけのことを持ち込むことができるかもわかってる。それは疑いようがないこと。僕としては、毎試合で自分のポテンシャルを最大限に発揮することにトライしている。チームが勝利するためにね。僕らはコートに出て、(第3、4戦のように)明日もまたやり遂げたいと思ってる」。
ホームの大観衆が見守る中、バンブリートがどんなプレーを見せるのか。ラプターズがウォリアーズ相手に勝ち切ることができるのか、注目していきたい。