クリッパーズのコンサルタントを務めるジェリー・ウェストが大物選手獲得について言及

今夏クリッパーズに加入したレナード(左)とジョージ(右)[写真]=Getty Images

「リーグでもベストな2人の2ウェイプレーヤー」とレナード、ジョージを高評価

 ロサンゼルス・クリッパーズでコンサルタントを務めるジェリー・ウェスト(元ロサンゼルス・レイカーズ)は、今夏大きな仕事を遂行した。

 昨季途中にトップスコアラーのトバイアス・ハリスをフィラデルフィア・セブンティシクサーズへ放出したクリッパーズだったが、ルー・ウィリアムズモントレズ・ハレルダニーロ・ガリナーリ(現オクラホマシティ・サンダー)らを中心に48勝34敗をマーク。

 2年ぶりの出場となったプレーオフでは、ゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に2勝4敗と健闘。「このチーム以上に誇れるチームはない」とドック・リバースHC(ヘッドコーチ)が振り返るほど、見事なチームケミストリーで下馬評を覆す会心のシーズンを送った。

現役引退後、ウェストはフロントとしてレイカーズとウォリアーズの優勝を陰で支えてきた[写真]=Getty Images

 そして迎えた今夏のフリーエージェント(FA)戦線。クリッパーズはトレードでモーリス・ハークレス(フォワード)を獲得後、世界中に衝撃を与えることとなった。

 現地時間7月6日、クリッパーズはカワイ・レナードをFAで、ポール・ジョージをトレードで獲得し、一夜にして今季の優勝候補へと躍り出た。そのほかにもガードのパトリック・ベバリー、ビッグマンのイビツァ・ズバッツ、ジャマイカル・グリーンと再契約を結び、豪華戦力の形成に成功。

 中でも、昨季トロント・ラプターズを初優勝へと導き、ファイナルMVPを獲得したレナード、攻防両面でサンダーをけん引し、自らは自己最高の成績を残したジョージをロースターに加えたことは、大きく評価される動きだったと言っていい。

 そんな中、16日(現地時間15日)にウェストが『The Dan Patrick Show』へ出演。そこでウェストは「私はリーグでプレーしている全選手に対して正直に、あらゆる点で公平な目で見ようとしている」とコンサルタントとしての視点を明かすと、こう続けた。

「本音を言うと、彼ら(レナードとジョージ)はバスケットボール界において、(攻防両面において優れた)ベストな2ウェイプレーヤーの2人だと思っている。そして両選手を一晩に獲得できたことは、きわめて驚くべきものだった」。

昨季のファイナルMVP、レナードはディフェンダーとしてもリーグ最高級のレベルにある[写真]=Getty Images

豪華戦力を手にしたクリッパーズが、今後2年間で初優勝を狙う

 レナードとジョージは昨季、それぞれのチームでトップスコアラーとして君臨。レナードは平均26.6得点に7.3リバウンド3.3アシスト1.8スティール、ジョージは平均28.0得点に8.2リバウンド4.1アシスト2.2スティールを記録しており、平均得点とリバウンドは共にキャリアハイという好成績。

 また、レナードはこれまでのキャリアで最優秀ディフェンシブプレーヤー賞(DPOY)を2度も獲得し、オールディフェンシブチームにも5度選ばれてきた。ジョージもディフェンスに定評があり、オールディフェンシブチーム選出4度を誇り、昨季はMVPだけでなく、DPOYの最終候補にも選出されている実力の持ち主。

 ただし、両選手の契約は2021-22シーズンまでではあるものの、同シーズンはプレーヤーオプション(PO)を保持している。つまり、21年夏にPOを破棄すれば、制限なしFAになることができるため、クリッパーズに与えられた時間は2年間となる。

 それでも、レナードとジョージ、そして2度のオールディフェンシブチーム選出を誇るベバリーが並ぶウイングは、NBA史上最高級のディフェンダートリオを形成したと言っても過言ではない。

 さらに、ベンチからは2年連続で最優秀シックスマン賞を獲得しているウィリアムズ、昨季の最優秀シックスマン賞の最終候補に入ったハレルというリーグ屈指のベンチデュオが控えていることもこのチームの強み。

 レナードとジョージを中心とするクリッパーズが、今後2シーズンでチャンピオンシップを勝ち取り、フランチャイズ史上初優勝を成し遂げる可能性は十分あると言っていいだろう。

昨季のMVP最終候補にも入ったジョージは攻防両面で高い評価を得ている実力者[写真]=Getty Images

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