安易なトレード志願に疑念を抱くカーHC
今オフシーズン、NBAを代表する多くのスター選手たちの移籍は、リーグに幾度となく衝撃を与え、長きにわたって王朝を築いたゴールデンステイト・ウォリアーズの時代から、新たな歴史の始まりを予感させるものだった。一方で選手のトレード志願による移籍に、眉をひそめる人物がいる。ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)だ。
現地メディアの『NBC Sports Bay Area/California』に出演したカーHCは、トレードを志願してロサンゼルス・レイカーズへ移籍したアンソニー・デイビスを例に挙げて、トレードに関する自身の見解をコメント。「(デイビスは)完璧なまでに健康体であり、まだ契約を残しているのにも関わらず、『ここを去りたい』と告げたんだ。これは本当に大きな問題であり、リーグ側はこの問題に触れて、そして選手もこの種の問題には気をつけなければならない」と危惧を示した。
また、レブロン・ジェームズ(レイカーズ)やケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)などがあくまで“フリーエージェント”として移籍したことに触れた上で、「球団と契約を交わしたとすれば、自分の努力とともに、そのチームと都市、そしてファンのために戦うことだ。そして(契約満了を迎えた時に)フリーエージェントとして、初めて退団する権利を手にする。しかし一度契約を交わしたならば、その契約に基づいてプレーすべきだ」と、契約年を残しながらもトレードを志願したデイビスと対比した。
そして最後は、「もし球団と合意に至るならば、袂を分かつ上では最善の道かもしれない、それもまた1つの方法だ。しかし、デイビスに関しては、やりすぎていたと思う。そしてこの件を通して、以後こういった問題がトレンド化しないことを願うよ、なぜならリーグにとっては好ましくないからだ」と考えをまとめた。
単に大型契約だけを望まず、心から優勝を望むスタープレーヤーも多くいる。ゆえに球団の理念や体制にギャップや疑念を抱けば、より良い球団への移籍のためにトレードを求める声も少ないわけではない。この問題に関してはリーグの関係者の中でも様々な意見が挙げられるかもしれないが、果たして選手たちはどのように捉えるだろうか。