「若手選手たちへ自分が得てきたものを伝えることができたら」とヒバート
8月12日(現地時間11日)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは選手育成コーチとして、ロイ・ヒバート(元インディアナ・ペイサーズほか)をチームに加えた。
218センチ122キロのヒバートは、2008年ドラフト1巡目17位でトロント・ラプターズから指名されると、同年7月に複数の選手が絡んだトレードでペイサーズへと移籍。
ヒバートはキャリア2年目の09-10シーズンから先発センターに定着すると、6シーズン連続で平均2ケタ得点をマーク。11-12シーズンにはいずれもキャリアハイとなる平均12.8得点8.8リバウンドに1.7アシスト2.0ブロックを残してオールスターに初選出されるなど、正統派ビッグマンとして君臨。
その後ロサンゼルス・レイカーズ、シャーロット・ホーネッツ、デンバー・ナゲッツでもプレーし、キャリア9シーズンをNBAでプレー。キャリア平均24.8分10.0得点6.3リバウンド1.3アシスト1.7ブロックを残した。
オールスター選出2度、14年にはオールディフェンシブセカンドチームに選ばれたヒバートだが、最もインパクトを残したのは13年のプレーオフ。この年イースタン・カンファレンス・ファイナルまで駆け上がったペイサーズには、ポール・ジョージ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)やデイビッド・ウェスト(元ニューオーリンズ・ホーネッツほか)、ジョージ・ヒル(現ミルウォーキー・バックス)が主力を務める中、ヒバートも先発センターとして大活躍。
プレーオフ全体で平均36.5分17.0得点9.9リバウンド1.4アシスト1.9ブロックと大暴れしたヒバートは、チームの快進撃を猛プッシュ。特にマイアミ・ヒートとのイースト決勝ではいずれもチームトップとなる平均22.1得点10.4リバウンドをたたき出し、ヒートを最後まで苦しめた。
9年間のNBAキャリアを終えて、シクサーズの選手育成コーチに就任したヒバートは、現地メディア『The Athletic』に対してこう語っていた。
「僕は(08年ドラフトで)17番目に指名された。オールスターには2度選ばれたし、高いレベルでプレーしてきたんだ。その間、リーグはいろんなことが変化し、スペースを広げるべく、僕はアジャストしようとしてきた。リーグから離れた時点で、僕はすでに大金を得ることができたし、家族をもつことができた。だから(自分のキャリアには)満足してるよ。今はコーチになりたいし、(コーチとして)若い世代の選手たちへ自分がこれまで得てきたものを伝えることができたらいいなと思ってる」。
シクサーズにはジョエル・エンビード、アル・ホーフォードというオールスタービッグマンがいるものの、2年目を迎えるジョナ・ボールデンやルーキーのノーベル・ペルといった若手ビッグマンが複数在籍している。
ヒバートは今季、主な役割として両選手の教育役を務めることになるだろう。イースト有数の豪華戦力を有するシクサーズに加えて、NBAで活躍したビッグマンのセカンドキャリアにも注目していきたい。