2020.08.24
創設24シーズン目となった昨季、トロント・ラプターズはエースにカワイ・レナードを迎えてプレーオフを勝ち進み、NBAファイナル初進出ながらゴールデンステイト・ウォリアーズを4勝2敗で下して初優勝を飾った。
ところが、昨季終了後、レナードがプレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)となってロサンゼルス・クリッパーズへ、ダニー・グリーンがロサンゼルス・レイカーズへと移籍。
彼らの代役として、ラプターズにはスタンリー・ジョンソンやロンデイ・ホリス・ジェファーソンが加入。パトリック・マコーとは再契約を結び、ディフェンディング・チャンピオンとして今季に臨む。
オールスターガードのカイル・ラウリー、昨季MIP(最優秀躍進選手賞)に輝いたパスカル・シアカム、元オールスターセンターのマルク・ガソル、プレーオフで活躍したフレッド・バンブリート、いぶし銀の働きを見せるサージ・イバカといった優勝に大きく貢献した選手たちがそろっており、プレーオフを逃すことはないだろう。
とはいえ、ミルウォーキー・バックスやフィラデルフィア・セブンティシクサーズは昨季以上の戦力を有しており、イースタン・カンファレンスのトップ争いから一歩後退したことは否めない。
そんな中、ラプターズ在籍5シーズン目を迎えるノーマン・パウエルは、今季に向けてすでに闘志を燃やしているという。7月27日(現地時間26日)に『Sportsnet』へ掲載された記事の中で、パウエルはラプターズについてこんなコメントを残していた。
「このチームは毎年、軽視されてきたと僕は感じてる。毎年、僕らは良い成績を残すことができないだろうと評され、批判的な人たちから見て予想以上の成績を収めてきたんだ」。
パウエルが振り返ったように、ラプターズはイーストの上位候補には挙がるものの、ファイナル進出あるいは優勝するチームと予想する者はほぼ皆無で、敬意を欠いていたと言っていい。
直近4シーズンすべてにおいて51勝以上を記録し、一昨季はイーストトップかつフランチャイズ史上最多となる59勝をマークしたものの、レブロン・ジェームズ(現レイカーズ)率いるクリーブランド・キャバリアーズの前にプレーオフで何度も惨敗を喫してきたことが、低評価を与えられることとなった大きな要因の1つだった。
攻防両面においてチームをけん引したレナードを欠く今季、ラプターズは再び低評価という下馬評の中、レギュラーシーズンを迎えることとなる。だが、昨季の優勝で大きな自信を得たパウエルは、このように意気込んでいる。
「このチームにはハードワーカーが何人もいる。多くのことを証明しようとしている選手やキャリアを伸ばすべく、コートに出たがっている選手やプレータイムを望む選手がね。プレーする機会を手にすれば、彼らはより大きな役割をこなしてステップアップできると僕は思ってる。レギュラーシーズンの中には、ケガやマネジメント、休息といったことが理由で状況が変わることはあるけど、彼らは自分たちにできることをやってのけるんじゃないかな」。
今季のラプターズでスターターの座が確約されているのは、ポイントガードのラウリー、パワーフォワードのシアカム、センターのガソルくらいだろう。シューティングガードとスモールフォワードで先発を務める選手は、トレーニングキャンプの中でニック・ナースHC(ヘッドコーチ)が見極めていくことになりそうだ。
そしてその座を争うのは、今夏新加入したジョンソンやホリス・ジェファーソン、再契約したマコーやパウエルとなる。昨季の優勝を機に、ラプターズは勝者として今季を送ることができるのか。そのカギは、レナードとグリーンが抜けたポジションを務める選手たちの活躍にかかっていると言っても過言ではない。
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