昨季3ポイント成功率40パーセント超えを記録した“ストレッチ4”
昨季途中、トレードでロサンゼルス・クリッパーズからフィラデルフィア・セブンティシクサーズへと移籍したマイク・スコットは、シクサーズで息を吹き返した。
クリッパーズでは52試合に出場して平均14.4分4.8得点3.3リバウンドだったものの、シクサーズでは27試合(うち先発は3試合)で平均24.0分7.8得点3.8リバウンドとプレータイムが約10分間も増加。
203センチ107キロのスコットは、コート上にスペースを作り出すことができる“ストレッチ4”として知られており、昨季も3ポイント成功率は40.1パーセントという高確率。シクサーズでは41.2パーセントという高精度を誇っていた。
制限なしフリーエージェント(FA)となった今夏、スコットはシクサーズと再契約を結び、在籍2シーズン目を迎える。
シクサーズにはジョエル・エンビードとベン・シモンズという若きオールスターデュオが君臨しているのだが、今夏トレードでジョシュ・リチャードソンを獲得し、トバイアス・ハリスとは再契約、FAでアル・ホーフォードを加えたことで、リーグきってのビッグラインナップを形成することに成功。
ベンチにもトレイ・バークやハウル・ネト、ジェームズ・エニス3世、スコット、カイル・オクインといった選手たちが控えており、イースタン・カンファレンス屈指の豪華戦力を有している。
「相手チームをリスペクトしている」スコットがライバルとして挙げた2チーム
8月21日(現地時間20日)に『Sixers Wire』へ掲載された記事の中で、スコットは「今シーズンは僕らにとってすばらしい機会になる気がしている」と発言。そして今季イーストでライバルになりうるチームを2つ挙げていたので紹介したい。
「ミルウォーキー(・バックス)とブルックリン(・ネッツ)。僕らにとって、この2チームと対戦することはワクワクさせるものだね。大きなチャレンジになると思うけど、僕らはすでに準備できている」。
バックスは昨季のシーズンMVPヤニス・アデトクンボという唯一無二の武器を持ち、オールスターのクリス・ミドルトン、エリック・ブレッドソー、ブルック・ロペスらが主軸を務める。また、スコットがアトランタ・ホークス在籍時に指導を受けた指揮官のマイク・ブーデンホルザーHC(ヘッドコーチ)の存在も大きい。
そしてネッツはKDことケビン・デュラントとカイリー・アービングという今夏のFAトップ2と言っても過言ではないスーパースターを2人も獲得。デュラントはアキレス腱断裂のため、今季の出場が危ぶまれているものの、スコットは両チームを警戒しているという。
「ミルウォーキーは常にリーグにおいてトップチームの1つ。イーストではなく、リーグ全体でね。ブルックリンはKDがケガでいなくとも、カイリーとトーリアン(・プリンス)を獲得しているし、(スペンサー・)ディンウィディーや(キャリス・)ルバートがいるから、両チームとも際立っているよ」とスコット。
昨季の覇者トロント・ラプターズは、ファイナルMVPのカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)を失ったことで、今季の覇権争いから一歩後退したというのが大方の予想ではある。そんな中で、スコットは「僕はいつだって謙虚に物事を見ている。相手チームをリスペクトしているんだけど、この2チームは現時点ですばらしいチームだと思う」と語っていた。
今季のイーストは絶対的な本命が不在なだけに、予想外のチームがトップの戦績を残す可能性もある。その中で、イースト上位候補チームたちがどのような戦いぶりを見せるのか。スコットがシクサーズでこなす役割も、チームの成績を左右することになると言っていいだろう。