「我々は昨季、カワイからどうすれば勝つことができるかを学ぶことができた」
創設24シーズン目となった昨季、トロント・ラプターズはフランチャイズ史上初のNBAチャンピオンに輝いた。
本来ならば、ラプターズは今季もディフェンディング・チャンピオンとして優勝候補の最有力候補に入るべきなのだが、世界中を見渡してもラプターズを優勝候補に挙げるメディアや識者は皆無と言っていい。
それもそのはず、ラプターズは今夏、昨季のファイナルMVPを獲得したカワイ・レナードがロサンゼルス・クリッパーズへ、先発シューティングガードを務めたダニー・グリーンがロサンゼルス・レイカーズへとそれぞれ移籍したからだ。
特にレナードが移籍したことはNBAの勢力図を変えるほどの激震となり、リーグでもベスト3に入る実力者を失ったことで、ラプターズの連覇は不可能に近いという厳しい現実となっている。
ところが、ラプターズのバスケットボール運営部門代表を務めるマサイ・ウジリは9月24日(現地時間23日)に『CBC’s The National』へ掲載された記事の中で楽観的な言葉を発していた。
レナード不在の中、ウジリはラプターズが「100パーセント」連覇できると発言。その理由について、ウジリはこのように続けた。
「私はこのチームが(昨季)何をやり遂げたのか、そこから何を学んだのかを見ている。我々はどうすれば勝つことができるかを学んだ。カワイがそれを教えてくれたということ」。
もちろん、ラプターズに2連覇するチャンスがまったくないわけではない。ロースターにはカイル・ラウリーやパスカル・シアカム、マルク・ガソルという軸となる選手たちがおり、フレッド・バンブリートやサージ・イバカ、ノーマン・パウエルといった昨季の優勝メンバーも多く残っている。
今季シアカムが平均20得点以上をたたき出すエースとして一本化し、新加入のロンデイ・ホリス・ジェファーソンやスタンリー・ジョンソン、若手のパトリック・マコーやパウエルらがステップアップすれば、イースタン・カンファレンスのプレーオフ上位シードを勝ち取ることはできるかもしれない。
それでも、レナードは絶対的な得点源であり、プレーオフではゲームを支配するほど絶大な影響力を与えていただけに、ラプターズが現有戦力でプレーオフに進んだとしても、カンファレンス・ファイナルまで勝ち上がることができれば十分合格点を与えられるだろう。
ウジリの発言は、トレーニングキャンプを前に選手たちを鼓舞する意味合いが強かったようにも映る。球団社長の言葉を受けて、選手たちはどんな思いで今季を迎えるのだろうか。
まずは10月8日と10日にさいたまスーパーアリーナで行われる、ヒューストン・ロケッツとのジャパンゲームズを楽しみに待ちたいところだ。