「オファーをいただいて、即座に『行きたいです』と答えました」と明かす
10月7日。都内某所でトロント・ラプターズがチーム練習の一部を公開し、ニック・ナースHC(ヘッドコーチ)を筆頭に、カイル・ラウリー、マルク・ガソル、パスカル・シアカム、サージ・イバカがメディアの囲み取材に応じた。
ラプターズの指揮官を務めるナースHCは、「チームの状態は非常にいいです。今日コートに立ってみて、選手たちのコンディションを確認したいと思います」と言及。
8日に行われるヒューストン・ロケッツとのジャパンゲームズ初戦は、ラプターズにとってはプレシーズン初戦でもある。チームとして、これからどのように集中していくかと聞かれるとこう切り返した。
「まだ私たちにとっては本当に早い段階にあります。新しい選手たちも加わりましたし、彼らがどういう役割をこのチームで築いていくかということを見極めていかないといけないと思っています。彼ら、そしてチームにとって、まずはコートでやっていくことが重要だと思います」。
初来日となったラプターズは、ディフェンディング・チャンピオンとしてプレシーズン初戦を日本で行うことになるのだが、日本のファンの前でどういった試合を見せたいかと聞かれると、ナースHCはジャパンゲームズについて感謝を口にしていたことが印象的だった。
「まず言いたいのは、ここに来ることができて本当にうれしく思っています。日本で試合を行うというオファーをいただいたのはだいぶ前だったんですけど、私は即座に『行きたいです』と答えました」と返答。そしてこのように続けた。
「我々はNBAをプロモートするためにやって来ています。私たちは昨季の覇者ですし、ロケッツは今年、栄冠を取ろうとしていますので、両チームともに点を取りますし、多くの3ポイントを放ちます。そしてチームバスケットボールを心がけていると思いますので、両チームの特徴から見て、ハイスコアリングゲームを展開できるのではないかなと思います」。
Spicy P v. FVV
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— Toronto Raptors (@Raptors) October 7, 2019
昨季覇者の指揮官ナースHCが重要視していることとは?
昨季の優勝チームからカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)、ダニー・グリーン(現ロサンゼルス・レイカーズ)といった主軸が抜けたのだが、ラプターズは複数の選手を獲得。「いい選手たちがそろっていますので、自信を持っています」とナースHCは言う。
そして「今季はどこにゴールを置いていますか?」という質問に対して、ナースHCは「(昨季と)同じです。私たちはものすごく高いゴールを掲げていますし、昨季は一番高いところをつかみ取ることができました。私たちが目標としているのは、常に勝つこと。そのすぐ後に来るのは、選手たちがより成長できる環境を作ることができるようにすることです。彼らが持つそれぞれの能力を高める機会を与えて、彼らにとって、また今後いい契約を取れるような環境を作ってあげたいなと思っています」と答えていた。
昨季の覇者ラプターズは、戦力ダウンがささやかれているとはいえ、7月下旬にノーマン・パウエルが「このチームにはハードワーカーが何人もいる。多くのことを証明しようとしている選手やキャリアを伸ばすべく、コートに出たがっている選手やプレータイムを望む選手がね。プレーする機会を手にすれば、彼らはより大きな役割をこなしてステップアップできると僕は思ってる」と『Sportsnet』へ口にしており、チャンスをつかんで飛躍を遂げようとしている若手も多く在籍している。
今季ラプターズを優勝候補に挙げる者はほとんどいないものの、若手がチャンスをつかむことで、チームとしても飛躍を遂げる可能性がある。そして8日と10日に開催されるジャパンゲームズは、今季ブレイクを果たすかもしれない選手たちが躍動するかもしれないだけに、ぜひともチェックしていただきたい。
文=秋山裕之