屈辱的な敗北を喫し、「一度限りじゃないだろう」と予想したカーHC
10月25日(現地時間24日)、ゴールデンステイト・ウォリアーズの新たなシーズンが始まった。この日ウォリアーズは新たなホームアリーナ、チェイス・センターにロサンゼルス・クリッパーズを迎え撃った。
ウォリアーズはステフィン・カリー、ディアンジェロ・ラッセルのバックコート陣、フロントコートにグレン・ロビンソン3世、ドレイモンド・グリーン、ケボン・ルーニーというスターターでゲームに臨んだものの、全クォーターで30得点以上を奪われてしまい、122-141という大敗を喫してしまう。
この試合、カリーがチームトップの23得点に4リバウンド4アシスト、ラッセルが20得点8アシストを記録しただけでなく、ほかに4選手が2ケタ得点を残したものの、チーム全体でフィールドゴール成功率39.4パーセントしか決めることができなかった。
一方のクリッパーズは、スターターのカワイ・レナード(21得点5リバウンド9アシスト)、3ポイントが10投中成功6本と大当たりだったパトリック・パターソン(20得点)、イビツァ・ズバッツ(16得点10リバウンド2ブロック)が活躍したことに加え、自慢のセカンドユニットも大暴れ。
ルー・ウィリアムズがチームトップの22得点に8アシスト、モントレズ・ハレルが18得点6リバウンドをマークするなどオフェンスが大爆発。
チーム全体でフィールドゴール成功率は62.5パーセント、3ポイント成功率でも56.3パーセントと絶好調。アシスト数も33本と、昨年までのウォリアーズを見ているかのようなパフォーマンスで相手チームを一蹴。
ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は「これは一度限りのことじゃない。これが現実なんだ。今シーズンはこういった夜が何度もあるだろうね。こういう敗戦を通じてプレーしていかなければならない。我々はこの状況下で戦い続けて、(チームとして)向上していくことが必要。それが我々のプランなんだ」と口にし、チームの現状を受け止めるしかなかった。
「今後勝利していくためには、明らかに修正を必要とする要素がある」とカリー
ウォリアーズは2014-15シーズンにカーHCが指揮官に就任後、昨季まで5年連続でウェスタン・カンファレンスを制し、3度の優勝を飾ってきた。
だが今夏にベテラン陣が複数退団し、クレイ・トンプソンも不在のため、今季は厳しい状況で戦うことを余儀なくされている。
「すごくいい状態とは思っていない。(今季は)負けるような嫌な雰囲気が漂っている。(負けるとなれば)楽しくなんかないさ。でもこれがNBAにおける現実というものなんだ。私が覚えている限り、我々はこの5年間では誰も成し遂げたことがない記録を残してきた。でも今シーズンの我々は、9人が23歳以下であり、そこから立て直していくんだ」とカーHC。
この大敗を受けて、「明日のフィルムセッションは大変なことになるだろうね」と覚悟したカリーだったが、グリーンはその場で怒りをあらわにしていた。
「俺たちは最低だ。もっともっと向上していかないとダメだ。俺はコーチじゃないから、フィルムを見て『いいか、俺たちはここから立て直すことができるぞ』と言うつもりはない。俺たちは立て直すことができるかどうかなんて、俺には関係ない。今夜の俺たちは最悪だった。全体的にもっと向上しなきゃならないんだ」。
ウォリアーズは28日(同27日)のオクラホマシティ・サンダー戦を前に、2日間の調整期間があることは今後に向けてポジティブな要素と言っていい。
「この試合は82試合のうちの1つ、と言ってしまえば簡単な話さ。でもこれからバスケットボールの試合に勝利していくためには、明らかに修正を必要とする要素がある」とカリーは語っており、ウォリアーズはこの2日間を有効に使って立て直しを図ることがマスト。
開幕戦で優勝候補クリッパーズの前に屈辱的な大敗を喫したウォリアーズだが、見方を変えれば、これ以上ひどい敗戦はそうそうないはず。カリーとグリーン、そしてカーHCを中心に、ウォリアーズが今後どこまで挽回できるか注目していきたい。