リオオリンピックから3年越しに実現したカイリー、KD、ジョーダンによる“ビッグ3”

今季からネッツでプレーするカイリー(右)とジョーダン(左)[写真]=Getty Images

デュラントが今季全休の中、カイリーが平均37.7得点でクラッチショット連発

 今夏のフリーエージェント(FA)戦線で、ブルックリン・ネッツは超大型補強を断行した。

 ネッツはプレーヤーオプションを破棄して制限なしFAとなったKDことケビン・デュラントカイリー・アービングというリーグ屈指の実力者たちとの契約に合意、さらには元オールスタービッグマンのディアンドレ・ジョーダンもロースターに加えることに成功。

ホームのバークレイズ・センターへ訪れたデュラントとカイリー[写真]=Getty Images

 デュラントは昨季のNBAファイナルでアキレス腱を断裂したため、今季全休が確実視されている。だがこの3選手がネッツのユニフォームを身にまとってコートに立つ来季は、リーグの脅威になることは間違いない。

 ここまで3試合を戦って1勝2敗のネッツは、カイリーが平均37.7得点に5.7リバウンド6.3アシスト1.7スティールという驚異的な成績でチームをけん引。2敗のうち1試合は延長の末に競り負け、もう1試合はブザービーターで惜敗と決して惨敗したわけではない。

 もっとも、勝利した試合でもカイリーがクラッチショットを沈めてなんとか勝利を収めただけに、現状としては既存戦力と新加入選手が半々のネッツは本調子には程遠いといったところか。

 その中で、ジョーダンは3試合のうち1試合に先発出場し、平均21.0分5.0得点8.7リバウンド1.0アシスト。ジャレット・アレンとのタイムシェアをしているため、長時間コートに立つことはないものの、フィールドゴール成功率は66.7パーセントと相変わらず高確率を残している。

ジョーダンにはディフェンスやリバウンドなど、裏方的な役割が期待されている[写真]=Getty Images

オリンピックからそれぞれがキャリアを積み、3年後にそろってFAとなって実現

 デュラント、カイリー、ジョーダンが同じチームでプレーすることを意識し始めたのは、今から約3年前のこと。2016年夏にアメリカ代表としてリオデジャネイロ・オリンピックへ出場し、金メダルを獲得した時だった。

「なぁ、これが実現したら最高じゃないか?」

 カイリーのこの言葉に、ジョーダンが「どういうこと?」と聞くと、「同じチームへ行って、一緒にプレーしようぜ」とカイリーが提案したと『ESPN』が報じている。

3年前のオリンピックで意気投合した3選手(左からデュラント、カイリー、ジョーダン)[写真]=Getty Images

 だが「僕らの友情は本物だった。でも当時の環境が僕らを引き離していたんだ」とカイリーが語ったように、デュラントは同年夏にゴールデンステイト・ウォリアーズへと移籍、カイリーはクリーブランド・キャバリアーズで優勝を手にした直後であり、ジョーダンはロサンゼルス・クリッパーズに在籍していた。

 その後デュラントはウォリアーズで2連覇を達成、カイリーは17年夏にトレードでボストン・セルティックスへ移籍、ジョーダンは昨夏ダラス・マーベリックスと1年契約を結び、昨季途中のトレードでニューヨーク・ニックスへと移籍。

「これまで本当に実現するのか、疑問に思うことは何度もあった。『これから先、俺らが一緒にプレーするなんて、本当に起こるのか?』ってね」とジョーダンが明かしたものの、今夏にそろってFAとなり、「俺たちはそこで(FAになるタイミングが)一致した。一緒にプレーしようぜ、ってなったんだ」と続けた。

 ネッツのシーズンは始まったばかり。現有戦力で戦っていくことで、昨季とは異なる新たなチームケミストリーが生まれることが予想できるだけに、今後の戦いぶりに注目していきたい。

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