レナード、ジョージ、カイリー、カリーとビッグマン2人をリストアップ
キャリア5シーズン目の昨季、ボストン・セルティックスが誇る名ディフェンダー、マーカス・スマートは自身初となるオールディフェンシブファーストチーム入りを果たした。
190センチ102キロのパワーガードは、持ち前の強じんな身体とフットワークを駆使し、ポイントガードからパワーフォワード、場合によってはセンターまでガードするスイッチディフェンダーとしても知られる男。
スマート自身もディフェンスにプライドを持っており、自身よりも10センチ以上上背があるビッグマンが相手であろうと物おじせずに真っ向勝負を挑む熱血漢でもある。
11月27日(現地時間26日)、そのスマートが『The Players’ Tribune』へ、“俺がガードしてきた中でも最もタフな選手トップ5”というタイトルで寄稿していたので紹介したい。
スマートがリストアップしたのはカワイ・レナード、ポール・ジョージ(共にロサンゼルス・クリッパーズ)、カイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、そしてアンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)とヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)の実質6選手。
その中で、真っ先に名を挙げたのはレナードだった。
「今のリーグで、彼は最もアンストッパブルな選手だと俺は言いたい。彼は得点できるだけでなく、あのサイズ(201センチ104キロ)なのにドリブルで出し抜くことができるし、ポストアップも可能、ミドルレンジや3ポイントも決めることだってできるんだから恐ろしい。カワイはもう、他とは一線を画している。見事というほかないね」。
続いて語ったのはレナードのチームメート、ジョージだ。
「ポールのゲームはリズムが全て。1本ショットが決まると、立て続けに流れができるんだ。本当さ。文字通り、ゾーンに入ってしまうんだ」と、ジョージが持つ爆発力を称えていた。
すると今度は、昨季まで2シーズン一緒にプレーしてきたカイリーについて「(カイリー相手に)俺たちができることは、彼の目の前にとどまることだけ。彼の揺さぶりに倒れてはいけないんだ。彼は数多くのムーブを駆使して好きなスポットへと向かっていく。だから彼の前でしっかり立ち続けないとダメなんだ。そしてどんなことに対しても準備する必要がある」と語り、スキルの高さを絶賛。
次に登場したのがカリー。両選手は異なるカンファレンスに所属しているため、1シーズンで対決するのは2回のみなのだが、「彼はどこからでもショットを決めることができるから」と切り出し、スマートはこう続けた。
「彼は必要であればハーフコートからでもショットを沈めてしまう。それにショットを放つのに広いスペースを必要としないんだ。しかもリリースが速い。もし仮に正対してガードしている時、わずか数インチのスペースでガードすればクローズアウトするのに十分かって? そんなことはないんだ」。
また、スマートはデイビスについて、キャリア初期のことを踏まえつつ、こう評している。
「AD(デイビスの愛称)を初めてガードした頃のことを覚えているよ。ポストで攻めてきたんだけど、俺は絶妙なポジションを取っていた。俺は自分の強じんさを駆使してリングから彼を遠ざけたんだ。それで自分が狙ったとおりの場所へと追いやった。あの時は自分でもいいディフェンスだと思ったよ。でも、彼は文字通りターンして俺の上からショットを沈めてしまったんだ。あれにはもう、打つ手なしという感じだった」。
208センチのデイビスは、スマートよりも20センチ近く高いだけでなく、腕の長さを加味すればそれ以上のミスマッチになることは間違いない。ポジション取りやドリブルではある程度スローダウンできるだろうが、一度跳び上がってしまうと防ぎようがないと言っていいだろう。
そして最後はアデトクンボ。デイビスをも上回るサイズ(211センチ)を持つ規格外の万能戦士について、スマートはお手上げといった感じで絶賛していた。
「ヤニスは文句なしにすばらしいね。ADもハンドリングはできるけど、ヤニスの場合はガードの選手みたいにできるんだ。それであのウイングスパン(221センチ)があり、巧みにボールを操えるばかりか、ガード並みのクイックネスがある。クロスオーバーで揺さぶって抜き去ることができるんだから、彼は特別な男さ。さらに彼には信じられないほどの長さと身体能力がある。3ポイントラインからリングまで、ほとんどの選手が4、5ステップかかるのに、ヤニスは3ステップでたどり着いてしまう。そしてコンタクトにも十分強い」。
ここまでに挙げた“ガードすることがタフな選手たち”と、スマートは今後もマッチアップすることになるのは間違いない。勝負どころでパワーフォワードとして出場することもあるスマートは、セルティックスに勝利を呼び込むべく、チームから求められることは何でもやり遂げるからだ。
今回マッチアップ相手を称賛していたスマートだが、次回マッチアップする時はこれまでとは少し異なったアプローチで臨むプランがあるのかもしれない。一方で、プレーオフで何度も激突してきたレブロン・ジェームズ(レイカーズ)の名を挙げなかったことは、マッチアップにある程度自信を持っているからなのかもしれない。
いずれにせよ、スマートのディフェンスは必見。その中には身体を張ったハッスルプレーもあるため、是非ともチェックしていただきたい。