2020.02.10
今季でキャリア6シーズン目となるマーカス・スマートは、2014年のドラフト1巡目全体6位でボストン・セルティックスに指名されてから、トレードやフリーエージェント(FA)で移籍することもなく、同一チームでキャリアを送っている。
スマートは決してフランチャイズプレーヤーというタイプの選手ではないものの、ルーキーシーズンから昨季まで、いずれも平均27.0分以上のプレータイムを得てきたチームに不可欠な男。
15年にオールルーキーセカンドチームに選出されたスマートは、193センチ99キロのコンボガード。ブラッド・スティーブンズHC(ヘッドコーチ)からディフェンス面で大きな信頼を得ており、持ち前のパワーとフットワーク、メンタルタフネスを駆使してスモールフォワード、時にはパワーフォワードをガードするマルチディフェンダーである。
昨夏に制限付きFAとなったスマートに対して、サクラメント・キングスなどいくつかのチームが獲得に興味を示していたものの、セルティックスと4年5,200万ドル(約56億1,600万円)の再契約を結び、無事残留となった。
セルティックスは昨季、周囲の期待とは裏腹に、イースタン・カンファレンス4位の49勝33敗。プレーオフではカンファレンス・セミファイナルでミルウォーキー・バックス相手に1勝4敗で早々に姿を消してしまったものの、スマートは着実に成長の跡を見せている。
フィールドゴール成功率(42.2パーセント)、3ポイント成功率(36.4パーセント)と成功数(平均1.6本)、平均スティール(1.8本)でキャリアハイの数字を残したことに加え、自身初のオールディフェンシブファーストチームに選出。
今季はケンバ・ウォーカー、ジェイレン・ブラウンのバックアップを務めるスマートは、チーム状況によって先発、クラッチタイムではディフェンスの要としてコートに立つことになるはずだ。
レギュラーシーズン開幕を控えた10月21日(現地時間20日)、地元メディア『Boston Globe』へ掲載された記事の中で、スマートは現状についてこう語っている。
「僕は今、キャリア6シーズン目を迎えている。まるで昨日、自分がドラフトされたみたいだ。僕がこの組織に入ってから顔を合わせてきた人たちのことを思い出すと、なんだか笑えてくるね。僕は今なおこのチームにいることができてありがたいと思ってる。これは本当に珍しいことなんだ。現代では(6年を待たずに)チームを離れてしまうからね。僕はここにいることができて本当にありがたいと思ってる」。
スマートが言うように、現在はドラフトされたチームで長期間プレーする選手はレアケース。スマートのドラフト同期(1巡目指名のみ)を見てみても、ドラフトされたチームに今も残っているのはスマートを含めてもわずか5選手しかいない。
そのリストはジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/3位指名)、アーロン・ゴードン(オーランド・マジック/4位指名)、ダンテ・エクサム(ユタ・ジャズ/5位指名)、スマート、クリント・カペラ(ヒューストン・ロケッツ/25位指名)と、いずれも所属チームのトッププレーヤー、あるいはローテーション入りしている選手たちだ。
スマートとしては、エンビードとゴードンはプレーオフ出場争いをするうえで倒すべきライバルであるため、シーズン中でも熱いマッチアップを見せてくれるに違いない。
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