ウォーカー4世、フォーブズら若手が接戦に持ち込み、デローザンが締める
12月4日(現地時間3日)に行われたヒューストン・ロケッツとサンアントニオ・スパーズによる一戦は、2度の延長にもつれ込む大激戦となった。
もっとも、第4クォーター開始時点で勝利の可能性が高かったのはアウェーのロケッツ。ホームのAT&Tセンターでプレーしたスパーズ相手に16点をリードしていた。
スパーズはパティ・ミルズとトレイ・ライルズの3ポイント、デジャンテ・マレーのプルアップジャンパーが決まるも、ジェームズ・ハーデンが立て続けに3ポイントを放り込み、残り7分20秒の時点でも、ロケッツは16点のリードを死守。
だが、ターニングポイントとなったのは残り7分53秒のプレーだった。ハーデンのダンクがノーカウントになる疑惑の判定(試合後にレフェリーが誤審と認定)で、流れが一転。「俺たちはプレーをストップしてしまった。それで彼らが自信を得たんだ」とハーデンが明かしたように、スパーズの猛追が始まった。
この日のラッキーボーイは、キャリア2年目のロニー・ウォーカー4世(スパーズ)だった。残り約7分からドライブ、ダンク、フリースロー2本とダンクをたたき込むと、ブリン・フォーブズと交互に長距離砲をヒット。
ロケッツはハーデンが残り1分46秒にフリースロー2本を着実に沈めて8点差をつけていたのだが、ここからウォーカー4世のクラッチショーが開演。残り1分7秒にデマー・デローザンのアシストからレイアップを成功させると、ロケッツのミスショットを挟んで3ポイントをねじ込んで3点差に詰め寄る。
残り11.5秒にはウォーカー4世が値千金の3ポイントをリングへ突き刺して同点に追いつく。残り1.8秒、ハーデンのアタックをヤコブ・ポートルが強烈なブロックではじき返し、スパーズが延長へと持ち込む。
延長では両チームが5点差以内のゲームを展開。残り1分12秒にフォーブズのフローターでスパーズが2点をリードしたものの、ロケッツはハーデンのドライブからラッセル・ウェストブルックが合わせてタフショットを放り込み、残り1分で再び同点となり、2度目の延長へ。
2度目の延長は、ロケッツがリードしてスパーズが追いつく流れとなる中、スパーズはデローザンが残り30.0秒にフリースローを1本ミスして1点ビハインドと窮地を迎える。だがハーデンのミスショット後、再びフリースローを獲得し、残り3.3秒に2本きっちり決めて1点のリードをもたらす。
ロケッツは最後のポゼッションで、ハーデンがスパーズのリングへ向かってドライブしていく中、デローザンがコースに入ってオフェンシブ・ファウルをもぎ取り、最終スコア135-133でスパーズに軍配。
貴重な出番を手にし、見事なステップアップを見せたウォーカー4世「一度ショットが決まってからは自分のゲームができた」
ロサンゼルス・クリッパーズ戦に続き、ウェスタン・カンファレンス上位チームとの試合を制したスパーズでは、ウォーカー4世がチームトップの28得点に3スティール、3ポイントが6投中5本成功と大当たりだったフォーブズが25得点4アシスト、デローザンが23得点5リバウンド9アシスト、ルディ・ゲイが14得点5リバウンドをマーク。
スパーズは大黒柱ラマーカス・オルドリッジを欠く中、若手の躍動とデローザンらベテラン陣が一丸となり、長丁場を乗り切った。
延長に持ち込む貴重な同点弾も沈めたウォーカー4世だが、今季は14試合の出場で平均5.8分2.5得点と、出番を待ちわびていた。
「自信になったよ。チームメートたちが僕に攻め続けさせてくれたんだ。僕も一度ショットが決まってからは自分のゲームができた。僕は自分にできることとできないことは分かってる。チームバスケットの中でプレーし、勝利することができて、ただただうれしいね」とウォーカー4世は喜びのコメント。
そして2度目の延長終盤で勝ち越しのフリースローを成功させ、ハーデンからテイクチャージを奪ったデローザンについては「彼らしいプレーだったね。彼こそがこのチームのリーダーなんだ。勝負どころで彼が得点すると皆が期待していたし、ビッグプレーを決めてくれた。彼が勝利へと導いてくれたんだ」とリーダーを称賛。
「この勝利こそ、我々が思うこのチームそのものだ。今夜のようなプレーを一貫してやっていきたいね。これまでできていなかったが、この勝利を機に選手たちが理解してくれるといいね」とグレッグ・ポポヴィッチHC(ヘッドコーチ)が選手たちを称えた。
一方のロケッツでは、ハーデンが圧巻の50得点に9リバウンド6アシスト4スティール、クリント・カペラが22得点21リバウンド2ブロック、ウェストブルックがトリプルダブル(19得点10リバウンド10アシスト)、オースティン・リバースが19得点を挙げるも一歩及ばず。