ドレイモンド・グリーン「コービーについて話したくはない。俺は彼へ話しかけたい」

コービー(右)最後のオールスターとなった2016年にチームメートとなったグリーン(左)[写真]=Getty Images

コービーのアキレス腱断裂を目の当たりにし、最後のオールスターで共演

 1月28日(現地時間27日、日付は以下同)。ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンが、前日にヘリコプターの墜落事故によってこの世を去ったコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)について、『The Athletic』をはじめとする複数の記者へ自身の胸の内を明かした。

「俺はそのことについて話したくないんだ。その話から逃げようとしている。俺はメンタルヘルスの専門家じゃないから、(話すことが)正しいのかどうか、俺には分からない」。

 コービー率いるレイカーズと、ステフィン・カリークレイ・トンプソン、グリーンを擁するウォリアーズがプレーオフで競い合うことはなかったものの、グリーンは自身のキャリアの中で、コービーの印象的なシーンを間近で見ていた。

アキレス腱を断裂後、コービーはフリースロー2本を当然のように沈めた[写真]=Getty Images

 1つは2012-13シーズン。ルーキーだったグリーンは、4月13日のレイカーズ戦で出場機会を手にすることはできなかったものの、その試合終盤にコービーが左足のアキレス腱を断裂。苦痛に顔をゆがめながらも、コービーは執念でフリースロー2本をねじ込み、自らの足でロッカールームへ歩いていくシーンをベンチから眺めていたのである。

 そして2016年。キャリア4年目にして初のオールスター選出となったグリーンは、現役最後のオールスターをプレーしたコービーとチームメートとなった。当時のオールスター期間中、グリーンはコービーについてこんなコメントを残している。

「彼の存在はゲームへ大きな影響を及ぼしている。この世代の選手たちは、コービーに影響を受けてきた。俺もその中の1人なんだ。だから彼と一緒にオールスターゲームをプレーできるのは、俺にとって特別なこと。ずっとコービーのファンだったから、本当にスペシャルなものになった」。

 それだけに、グリーンとしては悲劇としか言いようがない別れとなったコービーについて、記者たちから聞かれるのはつらかったようだ。

「コービーについて(この場で)話したくはない。俺はただ、コービーへ話しかけたいんだ」

 グリーンだけでなく、現役選手の中にはコービーから大きな影響を受けて育ち、成長してきた選手は数多い。その憧れの的だったコービーが突如この世を去ってしまったことで、ショックを受けているのは当然のこと。

 コービーについてメディアの前で語る選手もいれば、グリーンのようにメディアと話すのではなく、天国へと向かったコービーへ直接話しかけたいと思う選手がいてもおかしくはないだろう。

グリーン(右)は自らの思いをコービー(左)へ届けたことだろう[写真]=Getty Images

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