2018.09.07

まもなく初来日するドレイモンド・グリーンのNBAキャリアをプレーバック! Part.1

あふれんばかりの情熱をコート上で前面に出すグリーン[写真]=Getty Images
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 現在2連覇中の王者、ゴールデンステート・ウォリアーズが誇る万能戦士ドレイモンド・グリーンが、9月8日に初来日を果たす。

 ここでは、キャリア6年で3度の優勝経験を誇るグリーンのプロフィールとここまでのNBAキャリアにおける功績の数々を2回に分けて紹介していこう。

■プロフィール
本名:ドレイモンド・ジャマール・グリーン
生年月日:1990年3月4日(ミシガン州サギノウ)
年齢:28歳
身長/体重:201センチ/104.3キロ
所属:ゴールデンステート・ウォリアーズ
背番号:23
ポジション:パワーフォワード
NBAキャリア:今季で7年目
高校:サギノウ高(ミシガン州)
大学:ミシガン州大(在籍4年)
ドラフト:2012年2巡目全体35位指名(ウォリアーズ)
Twitter:@Money23Green(フォロワー数は約126万人)
Instagram:@money23green(フォロワー数は約310万人)

2017年には最優秀ディフェンシブプレーヤー賞を獲得したグリーン[写真]=Getty Images

■グリーンが残してきたNBAにおける功績
NBAチャンピオン:3回(2015,17,18年)
最優秀ディフェンシブプレーヤー賞(DPOY):1回(2017年)
オールNBAチーム選出:2回(16年はセカンドチーム、17年はサードチーム)
オールディフェンシブチーム選出:4回(うちファーストチームは3回)
オールスター選出:3回(2016~18年)
スティール王:1回(2017年)

ドラフト2巡目指名からスターターまではい上がった苦労人

 ミシガン州大に入学したグリーンは、プレータイムこそ短かったものの、1、2年次にNCAAトーナメントのファイナル4(準決勝)へ2度進出、1年次にはファイナルまで進んだ。すると3年次から先発に定着し、4年次には平均33.2分16.2得点10.6リバウンド3.8アシスト1.5スティール0.9ブロックとマルチに活躍。同大が所属するビッグ10カンファレンスの最優秀選手に選ばれるなど複数のアワードを受賞し、多方面で活躍するフォワードとして、カレッジキャリアを終えた。

豪快なブロックをお見舞いしていたグリーン[写真]=Getty Images

 しかし、2012年のドラフトを控えた時点で、グリーンは決して高い評価を得ていたわけではない。12年のドラフトはアンソニー・デイビス(現ニューオリンズ・ペリカンズ)やブラッドリー・ビール(現ワシントン・ウィザーズ)、ハリソン・バーンズ(現ダラス・マーベリックス)、デイミアン・リラード(現ポートランド・トレイルブレイザーズ)らが上位候補に入っており、グリーンは『NBA Mock Draft』でも1巡目下位予想に過ぎなかったのである。

 ドラフト当日。グリーンは思わぬ屈辱を受けることとなる。1巡目ではどのチームもグリーンを指名せず、まさかの2巡目落ち。ようやく声がかかったのは2巡目全体35位で、ウォリアーズとしてはバーンズ(1巡目7位)、フェスタス・エジーリ(1巡目30位/元ウォリアーズ)に次ぐ3人目の指名となった。

 こうしてNBA入りしたグリーンだったが、1年目の12-13シーズンから開幕ロースターを勝ち取っただけでなく、79試合に出場して平均13.4分2.9得点3.3リバウンドを残すなど、ドラフト2巡目指名選手としては異例のルーキーシーズンを送る。13年のプレーオフでは平均出場時間を18.6分まで伸ばし、平均5.8得点4.3リバウンド1.6アシストを記録。

 翌13-14シーズン、グリーンは82試合(うち先発は12試合)にフル出場。平均21.9分6.2得点5.0リバウンド1.9アシスト1.2スティール0.9ブロックと、ローテーション入りに成功し、オールラウンドな成績をマーク。14年のプレーオフでは先発センターのアンドリュー・ボーガット(元ミルウォーキー・バックスほか)をケガで欠く中、グリーンは徐々にプレータイムを増やしていく。

 1回戦の相手、ロサンゼルス・クリッパーズにはクリス・ポール(現ヒューストン・ロケッツ)やブレイク・グリフィン(現デトロイト・ピストンズ)、ディアンドレ・ジョーダン(現ダラス・マーベリックス)が君臨する中、グリーンは持ち前のパワーとタフネス、そしてオールラウンドなプレーを駆使して応戦していく。第4戦からはスターターに昇格し、2勝3敗と王手をかけられた第6戦では14得点14リバウンド4アシスト5スティールを挙げて勝利に大きく貢献。シリーズ最終戦でも5本の長距離砲を含む24得点に7リバウンド3アシスト2スティール2ブロックを挙げ、試合時間残り13.0秒には2点差に詰め寄る貴重な3ポインターを沈め、ステフィン・カリーらと共に最後まで奮闘した。

クリッパーズとのシリーズ第6戦で、グリーンは積極果敢に攻め立てた[写真]=Getty Images

 シリーズ敗退後、ウォリアーズは指揮官のマーク・ジャクソン(元インディアナ・ペイサーズほか)を解任し、現役時代に5度の優勝経験を持つスティーブ・カーHCが新たな指揮官へと就任した。

すべてのポジションをカバーできる稀有なディフェンダーへと成長

 ドラフトでは2巡目指名だったものの、キャリア2年目のプレーオフでスターターの座をつかんだグリーン。これはスモールフォワードとしては動きが遅く、パワーフォワードとしては小柄だと称された男が、ウォリアーズに必要不可欠な男へと変貌した瞬間だったのかもしれない。だが、グリーン本人はこのまま満足するような男ではない。

 ドラフト指名から数日後、現地メディア『mlive.com』で、グリーンはこんな言葉を口にしていた。

 「もしディフェンスをしっかり取り組み、リバウンドを奪いにいくことができれば、何らかの形でコート上に自ら活躍する方法を見つけることができるだろう。だから俺は、いつだってこういったことをやろうとしている。何が起ころうとね。なぜなら、ディフェンスとリバウンドというのは、チームに勝利をもたらす手助けができるんだ。それこそが俺のやろうとしていることなのさ」。

 身体を張ったディフェンス、ペイントエリアにおける激しい肉弾戦、屈強な身体がぶつかり合うリバウンド争いといったダーティワークを、グリーンはルーキーシーズンから黙々とこなしてきた。

 グリーンを積極的に起用してきたジャクソン前HCは、この男のディフェンス力を絶賛していた。14年3月、グリーンについて、ジャクソン前HCはすべてのポジションをガードできる稀有な能力を誇る点を挙げ、比較できるのはレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)のみだと明かしている。

 「この2人にはサイズと強じんさがあり、(ディフェンスに関する)知識を持ち合わせている。それに競争心も相当なものだと私は思っている」。

 グリーンのディフェンス力は、当時からリーグ有数のレベルにあったと言っていいだろう。

解説者を務めるジャクソン前HC(右)とグリーン(左)[写真]=Getty Images

スモールボールのキーマンを立派に務め上げて初優勝

 14-15シーズン。グリーンは先発パワーフォワードの座を射止め、開幕から得点やリバウンド、アシスト、ディフェンス面でウォリアーズを勝利へと導いていく。ウォリアーズも11月中旬から怒濤の16連勝を達成するなどリーグトップを快走し、その後も勝ち星を量産。

 15年2月7日(同6日)のアトランタ・ホークス戦。敗れはしたものの、グリーンはいずれもキャリアハイとなる10本のオフェンシブリバウンド、計20本のリバウンドを奪うパフォーマンスを披露した。白星先行のウォリアーズは、3月中旬から12連勝と貯金を増やし、リーグトップの67勝(15敗)を挙げて意気揚々とプレーオフへ。

カリー(左)、グリーン(中央)、トンプソン(右)を軸に勝利を積み重ねたウォリアーズ[写真]=Getty Images

 もっとも、このシーズンのウォリアーズを優勝候補の本命に推す声はあまり多くなかった。というのも、主軸のステフィン・カリークレイ・トンプソン、そしてグリーンもプレーオフに出場したのは2度のみで、直近のシーズンは1回戦敗退に終わっていた。アンドレ・イグダーラがキャリア10年、リアンドロ・バルボサ(元フェニックス・サンズほか)が11年のキャリアこそあったものの、ロースターには優勝経験を持つ選手はおらず、ファイナル出場経験がある選手も皆無だったからである。

 それでも、いざプレーオフが幕を開けると、1回戦でペリカンズをスウィープ、ウエスト準決勝ではメンフィス・グリズリーズを4勝2敗、ウエスト決勝ではヒューストン・ロケッツを4勝1敗で下し、ファイナル進出を早々に決めた。

 ファイナルで待ち受けていたのは、レブロン率いるクリーブランド・キャバリアーズ。チーム第3の得点源ケビン・ラブを肩の負傷で失い、ファイナル初戦の延長戦にはチーム第2の得点源カイリー・アービング(現ボストン・セルティックス)も戦線離脱したものの、レブロンを中心にロースコアの展開へと持ち込み、最初の3戦を終えて1勝2敗と、ウォリアーズは劣勢に立たされていた。

グリーンは特にディフェンス面において、見事な働きを見せた[写真]=Getty Images

 するとカーHCは、ボーガットをベンチに下げ、イグダーラを先発に昇格する決断を下し、スモールボールへと切り替えた。カリー、トンプソン、バーンズ、グリーン、そしてイグダーラで構成されるこのラインナップは、身長こそ最も高くてバーンズの203センチながら、全員がボールハンドリングをこなし、ドライブから3ポイントシュートまでこなすことができるため、速いテンポでゲームを進めることができ、ディフェンスに的を絞らせないオフェンスが可能。ディフェンス面でも、トンプソン、イグダーラ、グリーンを軸にこまめにスイッチすることで、弱点である高さを速さでカバー。

 ウォリアーズは第4戦から3連勝で一気に巻き返し、1975年以来、40年ぶりにチャンピオンとなった。シリーズMVPにはイグダーラが輝いたのだが、リム・プロテクターと化したグリーンの働きも絶賛された。ファウルトラブルに苦しみながらも、得点、リバウンド、アシストなど多方面に渡って存在感を発揮。優勝を決めた第6戦では16得点11リバウンド10アシストのトリプルダブルに加えて3スティールも奪い、自身初となる優勝に花を添えた。

キャリア3年目、ドラフト2巡目指名ながら主力へとはい上がり、優勝を手にしたグリーン[写真]=Getty Images