「彼の存在はすごく大きい。ここまで彼は、このチームに違いをもたらしてくれている」とリラードが絶賛
ポートランド・トレイルブレイザーズが好調だ。直近10試合で7勝3敗、現在は4連勝を記録しており、インディアナ・ペイサーズ、ヒューストン・ロケッツ、ロサンゼルス・レイカーズ、ユタ・ジャズと、いずれも勝率5割超えのチームを下している。
中でも主砲デイミアン・リラードは驚異的なパフォーマンスを続けている。ここ6戦のうち、5試合で45得点以上をたたき出すという史上3人目の快挙。『StatMuse』によると、70年以上の歴史を持つNBAにおいても、この記録はウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)、エルジン・ベイラー(元レイカーズ)しか達成していないという。
CJ・マッカラムが左足首のネンザから戦列復帰後、4戦負けなしのブレイザーズだが、隠れたキープレーヤーとして挙がっているのがトレバー・アリーザだ。
「彼の存在はすごく大きい。このチームにやって来てから、彼はディフェンス面でインパクトを残している。経験という面でも、ベテランとして、ディフェンス面でゲームに変化をもたらすことができているんだ。それにコートの走り方、スクリーンのやり方、オフェンス時のスペーシングの理解力など、俺たちを本当に助けてくれている。ここまで彼は、このチームに違いをもたらしてくれている」。
リラードが地元メディア『The Oregonian』へそう語ったように、アリーザの加入はブレイザーズへ好影響を与えていると言っていい。
アリーザは1月19日(現地時間18日、日付は以下同)に合意へと達したサクラメント・キングスとのトレードでブレイザーズへ加入。キャリア16年目のアリーザは、通算9チーム目となったブレイザーズで、ここまで5試合全てで先発出場し、平均11.4得点5.2リバウンド1.8アシスト1.8スティールを記録。
3ポイント成功率(42.1パーセント)はキャリアハイのペースで沈めており、成功数(平均1.6本)も決して悪くはない数字。さらにフィールドゴール成功率でも53.5パーセントという高確率を残している。
「彼は自身の役割を理解しており、それをどうすればうまくこなせるかを知ってるんだ」と指揮官も大きな信頼を寄せる
5試合経過時点ではあるものの、アリーザはプレータイムでリラード(平均37.1分)、マッカラム(同35.7分)に次ぐチーム3位の平均34.2分をマーク。出場時間帯における得失点差でも1試合目から順に+3、+18、+13、-5、+20という高数字。
「ここの選手たちは、すごく高いバスケットボールIQがあるし、とても才能に恵まれている。僕がやるべきことは、ボールをキャッチしてショットを放つこと、あるいはボールを奪ってリング下で決めること、あとはリバウンドを獲得して、シンプルにプレーメイクすることだけ」。
新天地ブレイザーズにおける役割について、シンプルに語るアリーザだが、テリー・ストッツHC(ヘッドコーチ)は34歳のベテランをこのように評価していた。
「トレバーは長い間、このリーグでプレーしてきた。彼は自身の得意分野を理解しているし、どうやってプレーすべきか分かってる。オープンショットも沈めることができ、ディフェンスもできるし、トランジションで走り出して必要ならばリング下付近でフィニッシュすることもできるんだ。彼は自身の役割を理解しており、それをどうすればうまくこなせるかを知ってるんだ」。
アリーザはこれまでのキャリアで、コービー・ブライアント(元レイカーズ)、クリス・ポール(現オクラホマシティ・サンダー)、ジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ)、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)といったリーグ有数の実力者たちとプレーしており、2009年にはレイカーズで優勝した経験も持つ。
リラードとマッカラムのバックコート陣、ハッサン・ホワイトサイド、今季途中加入したカーメロ・アンソニーがチーム総得点の大部分を稼ぎ出すブレイザーズにおいて、ロールプレーヤーとして溶け込むアリーザの存在は、プレーオフ出場争いへ向けて大きな違いを生み出すことになりそうだ。