「モラントが試合を支配した。僕らはストップできなかった」とベルターンス
2月10日(現地時間9日、日付は以下同)に行われたワシントン・ウィザーズ戦。アウェーのメンフィス・グリズリーズは、第1クォーター終了時点で18-30とリードを許す展開の中、徐々にペイントエリアで主導権を握り、最終スコア106-99で逆転勝利を収めた。
「あの男は若いが、5年のキャリアを持つオールスター選手のようにプレーしている。彼らはあの男を獲得できてラッキーだろうね。彼はこの先、ずば抜けた選手になるだろう」
試合後、ウィザーズのスコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)が口にした“あの男”とは、今季の新人王最有力候補のジャ・モラント。190センチ79キロのポイントガードは、コート狭しと暴れ回り、自慢のスピードとトリッキーなボールハンドリング、緩急をつけた自由自在の動きでウィザーズのディフェンス陣を翻弄。
第4クォーターだけで記録した10得点を含むゲームハイの27得点を挙げただけでなく、10リバウンド10アシストでキャリア初のトリプルダブルを達成。今季のルーキーでは初となるトリプルダブルをたたき出し、グリズリーズを逆転勝利へと導いた。
圧巻だったのは第4クォーター残り約5分からだった。独特のタイミングからフローターを放り込んで97-95と2点リードを手にすると、ディフェンダーを引きつけてブランドン・クラークの3ポイント、カイル・アンダーソンへのイージーショットを演出。さらには残り44.3秒にダメ押しとなるディープスリーを放り込み、試合の行方を決定づけたと言っていい。
「ジャ・モラントが終盤に試合を支配した。僕らは彼をストップできなかったんだ」
“ラトビアン・レーザー”ことダービス・ベルターンスが試合後に明かしたように、モラントのアタックに終始リズムを狂わされたウィザーズは、徐々に主導権を奪われていったのである。
この日のモラントはフィールドゴール17投中9本、フリースロー9投中7本を成功。フリースロー試投数で両チームトップを記録し、土壇場で3ポイントを沈める勝負強さも光っていた。
ウィザーズ戦で見せたパフォーマンスによって、モラントが新人王を獲得する可能性が決定的になったと言っても過言ではない。