「次のレベルへと向かうため」の決別だったとショーン・マークスGMが明かす
3月8日(現地時間7日、日付は以下同)。ブルックリン・ネッツは、就任4シーズン目のケニー・アトキンソンHC(ヘッドコーチ)と決別することを発表した。
ニューヨーク・ニックス、アトランタ・ホークスで計7シーズン、アシスタントコーチ(AC)を務めたアトキンソンは、2016-17シーズンからネッツの指揮官へ就任。1年目から順に20勝62敗、28勝54敗と徐々に成績を伸ばすと、昨季はディアンジェロ・ラッセル(現ミネソタ・ティンバーウルブズ)を軸に42勝40敗を挙げてプレーオフへ進出。
昨夏には2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでアメリカ代表として金メダルを獲得したケビン・デュラント、カイリー・アービング、ディアンドレ・ジョーダンをロースターに加え、豪華戦力で今季を迎えた。
とはいえ、デュラントは昨季のNBAファイナルでアキレス腱を断裂していたため今季全休。カイリーも右肩の負傷に悩まされ、わずか20試合の出場で今季を終了。そのほか、ジョーダンやキャリス・ラバートの戦線離脱もあり、なかなかベストメンバーがそろわず、7日終了時点でイースタン・カンファレンス7位の28勝34敗。
この日、チームの練習施設で「長い間、ケニーがここにいてくれたら良かったんだけどなぁ」と切り出したショーン・マークスGM(ゼネラルマネジャー)は、「私は我々が持つ考えが、今後もずっと続き、共にこの組織で構築していくと思っていた。この4年間、我々はすばらしいことをやってきた。互いに楽しむことができた。共に成長してきたんだ。失敗したこともあったが、その過程で楽しむことができていた」と振り返りつつ、こう続けた。
「彼と決別することになったのは、このチームの状況によるものだ。今、我々がいるポジション(イースト7位)を見て『次のレベルへと向かうためには何が必要なのか?』と考え、我々は議論した結果、新たな声がチームに必要な時だと判断したんだ」。
地元メディア『SNY』によると、ネッツの選手たちはアトキンソンがロッカールームにおける場所を失っていたと感じており、マークスGMも以前ほどアトキンソンの声が届いていなかったと認めていたという。
リーグでも3本の指に入る実力者デュラントが完全復活する来季にチャンピオンシップ獲得を見据えていたネッツにとって、アトキンソンは現在の基盤を構築した功労者の1人。だがデュラントをコーチングする機会は訪れることなく、カイリーも20試合のみの指揮に終わることに。
ドライブとスペーシングを多用し、ポストアップをほとんど用いらないオフェンスで、2015年以来初のプレーオフへと導いたアトキンソンは、今後多くのチームが関心を寄せるだろう。
アトキンソンのHC就任と同年にネッツ入りし、主力選手へと成長を遂げたラバートは、自身のインスタグラムで「あなたが僕の家族と自分へしてくれた全てのことに感謝している。あなたと出会った日から、自分ならではの人生を見つける術を教えてくれた」と、恩師への感謝を綴っていた。
今後、ネッツはジャック・ボーンACがHC代行を務めることになるが、同時に来季以降に指揮官を務める人材を模索していくこととなる。