「僕にはスポンサーがついていますが、それは本来僕がやる仕事ではありません。バスケットボールこそが自分の仕事です」と八村
4月15日(現地時間14日、日付は以下同)。ワシントン・ウィザーズの公式ツイッターアカウントにて、八村塁のライブインタビューが行われた。
英語版と日本語版のアカウントを持つウィザーズは、事前に八村への質問を募集し、チームの公式特派員、ザック生馬氏が英語と日本語で八村とのトークを展開。ここでは前半に実施された英語インタビューから八村の声をいくつかお届けしていきたい。
今年2月8日に22歳となった八村は、昨年6月にドラフト1巡目全体9位でウィザーズに指名されてからというもの、数多くの企業とエンドースメント契約を締結。昨年11月には『Forbes』が「The NBA’s Most Marketable Rookie Not Named Zion Williamson(NBAで最も市場価値があるルーキーはザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)ではない)」というタイトルで八村をフィーチャー。
その時点でナイキの『ジョーダンブランド』を筆頭に『NBA 2K』、『NEC』、『カシオ』、『日清食品』、『SoftBank』、『SMBC(三井住友銀行)』と契約していた八村は、昨年のドラフト全体1位指名のザイオンと共に、今季のルーキーで3位以降を圧倒する副収入を手にしていると報道。
その後も八村の勢いは加速していき、2月12日にはスニーカー売買サイトの『GOAT』(ゴート)、3月には総合電動工具メーカーとして知られる株式会社マキタのイメージキャラクターに就任、さらには「ファイト イッパーツ!」でお馴染みの栄養ドリンク剤『リポビタンD』(大正製薬株式会社)のCMにも出演している。八村はコート内外のバランスについてこう話している。
「オフコートで、僕はいっそう注意しています。今では国全体で僕のことを追いかけてくれています。それはうれしいことではありますが、自分がやるべきことにフォーカスしなければいけない。特にカレッジとは違い、ここはプロフェッショナルな場です。僕にはスポンサーがついていますが、それは本来僕がやる仕事ではありません。バスケットボールこそが自分の仕事ですので。フォーカスしなければならないことがある中で、どれだけ自分自身をコントロールできるかだと思ってます」。
日本のバスケットボール界をけん引する八村には、今後もエンドースメント契約を望む企業が続々と出てくることが予想されるが、バスケットボールに集中して結果を出していくことが大いに期待できるコメントだった。
八村がショット不振の中、「彼は得点面以外でもチームに貢献できる」とビール
なお、八村はコート外における不評や不満といったネガティブな要素との付き合い方について、エースのブラッドリー・ビールからアドバイスを受けていることを明かしていた。
「ブラッドは僕がいつも見ている選手です。バスケットボールや、オフコートのこと、何でも話します。彼はこのチームの最高のリーダーです」。
アキレス腱の部分断裂により、ジョン・ウォールが全休となった今季、ビールはリーグ2位の平均30.5得点にチームトップの6.1アシストと獅子奮迅の働きでウィザーズをけん引。
3月に八村が2試合連続でフィールドゴール成功ゼロに終わっていた時も、ビールは「ルイが不調かって? 俺はそうじゃないと思う。戦い続ければそれでいい。オールスター後というのは、“ルーキーの壁”があると言われるけど、引き続き戦い続けることだと思う。彼は得点面以外でもチームに貢献できるからね。皆が一つのこと以上で貢献しなければいけないんだ」とポジティブな言葉を発しており、共に戦う仲間として八村を信頼していたことも印象的だった。
新型コロナウイルスの影響により、NBAは3月13日からシーズン中断に踏み切っており、今後再開されるかどうかは不透明。だがこの日の八村は、英語と日本語でファンの質問に応対し、力強い言葉を残していたことは朗報と言っていいはずだ。