2011年に悲願の優勝を果たしたノビツキー
2010-11シーズン、その年はマイアミ・ヒートにドウェイン・ウェイド(元ヒートほか)、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、クリス・ボッシュ(元トロント・ラプターズほか)ら3人が集結し、ヒートの王朝を予感させた。多くのファンはこの歴史的なビッグ3を注目していたが、実際にこのシーズンを制したのはダーク・ノビツキー率いるダラス・マーベリックスだった。
マブスはレギュラーシーズンをウェスタン・カンファレンス3位の57勝25敗で終えると、ポストシーズンでは3連覇を目指すレイカーズとプレーオフ2回戦で激突。だがこのシリーズで一度も敗北することなく、王者相手に4連勝で“スウィープ”をしてみせたのだ。その後も順調に勝ち上がり、ファイナルではヒートとの対戦となった。
ファイナルでは第3戦を終えて1勝2敗と負け越していたが、エースのノビツキーはミドルレンジでのジャンパーや、ポストプレーで得点を量産。またジェイソン・キッド(元ニューヨーク・ニックスほか)、ジェイソン・テリー(元マブスほか)、ショーン・マリオン(元フェニックス・サンズほか)といったベテラン選手も活躍し、3連勝を経て悲願の優勝を果たしたのである。
『NBA Together』に出演したノビツキーは、当時のマブスの優勝について、「素晴らしい感覚だったよ。10年以上ハードワークに身を捧げ、最終的に頂上にたどり着いたのだから。それこそ最高の出来事さ」とコメントしている。彼自身も平均26.0得点9.7リバウンド2.0アシストを記録し、ファイナルMVPを受賞。「特に僕のチームには利己的でないベテラン選手が多くいて、お互いにプレーすることが大好きだったんだ。それは間違いなく最高だった」と、当時の優勝を振り返った。
自身のシグネチャームーブである“ワンレッグ・フェイダウェイ”を武器に、長年リーグでトッププレーヤーとして君臨していたノビツキー。昨季で21年のNBAでの現役生活に幕を下ろし、その後はストイックなライフスタイルから離れて、穏やかな日々を送っている。マブスの球団初優勝の英雄とも言えるノビツキーの功績は、これからも永遠に語り継がれていくことだろう。