「ベストなケミストリーを持つチームはさらに醸成させていく。あとはそれぞれが持つタレントを最大限に活かすことができるかだね」
新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、NBAがレギュラーシーズン中断に踏み切ってから6週間。ヒューストン・ロケッツのエリック・ゴードンが『AT&T SportsNet Southwest』のインタビューに応じた。
4月28日(現地時間27日)に行われたインタビューで、もしシーズン再開のゴーサインが出た場合、選手たちにはどのくらいの準備期間が必要なのかと聞かれ、このように答えている。
「俺としては25日間が堅実な数字かな。選手たちがゲームシェイプなどを取り戻すのに十分な時間になると思う。でも結局のところ、(再開までに)ゲームシェイプになれる選手はいないだろう。だからこれまでとはちょっと違うスタイルのゲームになるんじゃないかな」。
先日、NBA選手会の代表を務めるクリス・ポール(オクラホマシティ・サンダー)も、メディアとの電話会談でシーズン再開が決まっても「少なくとも」3~4週間が必要と話しており、今後シーズン再開が実現すれば25日前後の時間が選手たちに与えられることになるだろう。
では、シーズン中断という前代未聞の状況となった今季、再開後に覇権争いを制するためのカギは何なのか。ゴードンはこう話す。
「シーズンが戻ってくるとして、今後カギになってくるのはどのチームがベストなケミストリーを有しているか。今後、皆が健康体を取り戻すだろう。そしてベストなケミストリーを持つチームはそれをさらに醸成させていく。あとはそれぞれが持つタレントを最大限に活かすことができるかだね」。
シーズン中断時点で、ケガのため戦線離脱していた選手たちの中には、この6週間で完治した選手もおり、シーズンが再開すればラインナップに復帰できる見込みとなっているため、自ずと戦力アップすることだろう。
また、長年多くの選手が一緒にプレーしてきたチームにとっては、これまでに培ってきたケミストリーを取り戻し、さらに高めることでより強固なチームと化すかもしれない。
では、ロケッツはどうか。ジェームズ・ハーデン、ゴードン、PJ・タッカー、オースティン・リバース、ダヌエル・ハウスJr.は昨季から共にプレーしているものの、ラッセル・ウェストブルックやベン・マクレモアは今季から加入、ロバート・コビントンやジェフ・グリーンは今季途中から加わっているため、ケミストリーという面ではまだ構築しきれていないというのが現状だろう。
それでも、もし25日前後の調整期間を与えられるのであれば、シーズン中にロースターを入れ替えたチームにとってはトレーニングキャンプのように選手たちが一緒になってワークアウトやチーム練習を行い、ケミストリーを構築することが期待できる。
特にロケッツは主要ローテーション入りしている選手の最長身が203センチ(グリーン)というスモールラインナップを形成しているだけに、タッカーやコビントンにとっても休息期間となるはず。短期間でチャンピオンを決めることになれば、ハーデン、ウェストブルック、ゴードンと、その気になれば50得点も可能な選手を複数抱えるロケッツは要注意チームと言っていいかもしれない。