「あの2人は、ゲームの中で互いに影響を与え合っているように見えた。コービーはいつだって、まるで磁石のようにマイケルに向かっていたんだ」
5月4日(現地時間3日、日付は以下同)。1997-98シーズンのシカゴ・ブルズを追跡した珠玉のドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』の第5、6話が公開された。
第5話では今年1月末にヘリコプター墜落事故により他界したコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)と、マイケル・ジョーダン(元ブルズほか)によるエピソードが配信され、話題となっている。
コービーにとって、ジョーダンは憧れの選手であり、現役時代に何度もアドバイスをもらい、偉大なスーパースターへと成長を遂げた過程で不可欠な存在。それは「彼の存在なしに、5度の優勝はなかった」とコービーが第5話の中で振り返っていたことからも明らかである。
そんな中、5日に『ESPN』へ掲載された記事の中で、レイカーズのレジェンドであり、NBAロゴのモデルとしても知られているジェリー・ウェストがジョーダンとコービーについて持論を展開した。
「あの2人は、ゲームの中で互いに影響を与え合っているように見えた。コービーはいつだって、まるで磁石のようにマイケルに向かっていたんだ。マイケルがコートにいる時というのは、数多くの選手たちと相互に作用することが本当になかった。彼はただプレーしていたからね。だがいくつかの理由で、コービーとは親近感があったね」。
レギュラーシーズンや1998年のオールスターをはじめ、コービーはジョーダンと複数回コート上で対決してきた。『HoopsHype』によると、ジョーダンはワシントン・ウィザーズ時代を含めてレギュラーシーズンで計8試合コービーと対戦し、コービー(平均22.8得点)をわずかに上回る平均24.5得点を記録してきた。
ルーキーシーズンからコービーはジョーダンのようなプレーを随所に見せており、キャリアを重ねていくにつれてジョーダンのようにフェイドアウェイジャンパーを芸術的な域にまで磨き上げてきた。ウェストはこう指摘している。
「マイケルは正しいことを言うだろうね。彼には強い精神がある。大勢の人たちは彼のことを人生においてものすごく高い場所へと位置づけるが、彼らにとって、マイケルは自分たちとは違うところにいると思ってしまう。でもね。マイケルは本当にコービーには感動させられたと私は思うね」。
2月25日にステープルズ・センターで行われたコービーと次女ジアナの追悼式で、ジョーダンが「我々は実に親しい間柄だったんだ。コービーは私の親友だった。弟のような男だったんだ」と明かし、「コービー・ブライアントが亡くなったことで、私の一部も失われてしまいました」と話したように、ジョーダンとコービーの間には、人々の予想を大きく上回る強い絆があった。
ウェストはコート上で競演していたジョーダンとコービーのやり取りを観て、それを早いうちから感じていたのだろう。