「僕はチャンピオンシップを勝ち取りたい。ホークスというフランチャイズを次のレベルへと引き上げたいんだ」
5月17日(現地時間16日、日付は以下同)に公開された『ESPN』の番組“One Team Speaker Series”に、アトランタ・ホークスのオールスターガード、トレイ・ヤングが出演した。
3月13日から新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、NBAがレギュラーシーズン中断に踏み切ってから2か月が経過し、現在はシーズン再開に向けて着々と動き出している中、ヤングはこのように明かしている。
「今の時点で、僕は準備する必要はないと言っておこう。だって僕は走ってもいないし、プレーもできていない。ボールにも触っていないんだからね。でも一つ言っておきたいのは、(シーズン再開となれば)僕はしっかり準備して臨むということ。もし再開されるなら、ゲームシェイプを取り戻すためのトレーニングキャンプがあるだろうし、ゲーム勘を取り戻すことができるさ。今の時点では準備できているとは言えないけど、その時になったら大丈夫さ」。
キャリア2年目の今季、ヤングはホークスの大黒柱となり、平均29.6得点4.3リバウンド9.3アシスト1.1スティールをマークし、スターター枠でオールスターに選出される急成長を見せた。
今季のホークスはイースタン・カンファレンス14位の20勝47敗。もし再開されたとしても、今季のプレーオフ進出は不可能に近いというのが現状。そんな中、ヤングは1997-98シーズンのシカゴ・ブルズを追跡したドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』について、特にMJことマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)を観て刺激を受けているようだ。
「とんでもない(ドキュメンタリー)シリーズだ。MJがロッカールームでどうだったのか、どうやってチャンピオンシップを勝ち取ったのか、どのようにしてゲームを離れて、(一度引退してから)復帰して3度も優勝できたのか。僕はチャンピオンシップを勝ち取りたい。ホークスというフランチャイズを次のレベルへと引き上げたいんだ。だから彼がやってきたこと、そのために彼が見せてきた犠牲の数々を観ているよ。本当にインスパイアされるものだし、僕にモチベーションを与えてくれる」。
「いつの日か僕を批判してきた人たちが最高のファンの1人になってくれるといいね」
ヤングはこれまでのバスケットボールキャリアで、批判されることも多々あった。だがその中で、自身を奮い立たせて成長してきたという。
「僕はいつだって、ネガティブで後ろ向きなことや人々が言ったことを燃料として利用してきた。いつもネガティブなエナジーをポジティブなものへと変えてきたんだ。いつの日か僕を批判してきた人たちが最高のファンの1人になってくれるといいね」。
185センチ81キロのヤングは、NBAのガードの中でもどちらかと言えば小柄な部類に入るのだが、向上し続けるボールハンドリング、オフシーズンのワークアウトで磨いたフローターやレイアップで得点を量産しているのだが、やはり最大の魅力はクイックリリースで放つ長距離砲、いわゆるディープスリーだろう。
コート中央のロゴ付近からでも躊躇なく繰り出すこの必殺技について、ヤングは言う。
「子どもの頃、一度ボールを手にしたらジムに行って、最初は3ポイントを放ちたいと思うものさ。僕はその仕組み、どうやって放っていくか、ボールに触れる感覚、いいリズムかどうかといったことにフォーカスしてきた。で、年を重ねて強くなるにつれて、そのレンジを広げるようにしてきたんだ。そして正しい仕組みの中でやってきた」。
ヤングはまだ21歳。すでにプルアップでディープスリーを沈めるシュート力を持つオールスターガードは、この先ホークスをプレーオフの常連へと引き上げてチャンピオンシップをもたらすことができるのか。今後の成長を大いに期待したいところだ。