今季再開後、プレーオフに進むチャンスがなければ「出場するつもりはない」とリラード

リラードがプレーオフ出場への思いを語った[写真]=Getty Images

「7位から12位のチームによるトーナメントとなり、プレーオフ出場の座をかけて俺たちがプレーできるんなら、それがパーフェクトだと思うね」

 5月27日(現地時間26日、日付は以下同)。ポートランド・トレイルブレイザーズのオールスターガード、デイミアン・リラードが『Yahoo! Sports』のクリス・ヘインズ記者との電話取材に応じた。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、3月13日にレギュラーシーズンを中断した時点で、ブレイザーズはウェスタン・カンファレンス9位の29勝37敗。キャリア8年目のリラードは鼠径部を痛めてオールスター本戦と計8試合を欠場したものの、ここまでキャリアハイの平均28.9得点7.8アシストという好成績を残してきた。

 今月チームの練習施設が解禁となり、個人としてワークアウトを行うことができるようになったのだが、7月末と報じられているシーズン再開に向けて現状の思いをこのように吐露している。

「もし俺たちが戻る時に彼ら(リーグ側)が『我々はレギュラーシーズンを終えるために数試合行うことにした』とか、意味のない消化試合をさせようとしたり、俺たちにプレーオフへ進出できる“本当の機会”がないなら、俺はチームの一員として同行するだろうが、出場するつもりはない。今の段階ではそう言っておこう」。

自己最高のシーズンを送っていたリラード[写真]=Getty Images

 現時点で各チームが65試合前後をこなしているため、シーズン再開からプレーオフが始まるまで、70試合に統一させてレギュラーシーズンを終えるという案もあるのは事実。

 イースタン・カンファレンスではプレーオフ最後のスポットとなる8位のオーランド・マジック(30勝35敗)と9位のワシントン・ウィザーズ(24勝40敗)では5.5ゲーム開いており、5、6試合では順位が変動することはないだろう。

 だがウェストでは8位のメンフィス・グリズリーズ(32勝33敗)から12位のサンアントニオ・スパーズ(27勝36敗)まで、5チームが4.0ゲーム差でひしめき合う大混戦。1試合ごとに順位が変わる可能性もあるだけに、70試合で統一となればプレーオフまで駒を進めることは難しい。

「彼ら(リーグ)がシーズンを再開させて、これは7位から12位のチームによる一種のトーナメントになるとしよう。それで俺たちがプレーオフ出場の座をかけてプレーできるんなら、パーフェクトだと思うね」とリラードは言う。

 シーズン再開後、現時点における順位のままプレーオフが幕を開ける可能性もあるため、プレーオフ進出に向けて猛スパートを切りたいブレイザーズのようなチームにとってはモチベーションを保持するのが困難なのは間違いない。

 ブレイザーズはグリズリーズと3.5ゲーム差で、もし同じ試合数をこなして成績が並んだとしても、直接対決ではグリズリーズが1戦1勝しているため、リラード率いるブレイザーズがプレーオフへ滑り込むためにはシーズン成績でグリズリーズを上回らなければならない。

ブレイザーズはリラード(右)やカーメロ(左)、マッカラムという危険なスコアラーを擁している[写真]=Getty Images

「俺たちの方が(グリズリーズよりも)いいと思う。経験値があるからね。俺は彼らと戦いたい。それが俺たちの望みだ」とレイカーズとのシリーズを熱望

 グリズリーズ、あるいはブレイザーズがウェスト第8シードでプレーオフに臨んだ場合、待ち受けるのはウェスト首位(49勝14敗)のロサンゼルス・レイカーズが濃厚だ。直接対決の戦績では負け越しているものの、両チームともレイカーズ相手に1勝しており、レブロン・ジェームズ(レイカーズ)は3月下旬にポッドキャスト番組『Road Trippin’』へ出演した際に「ブレイザーズが第8シードでプレーオフへ進出したら、俺らにとっては非常に厄介な存在になる」と警戒していた。

 ブレイザーズはリラード、CJ・マッカラムカーメロ・アンソニーという、調子が良ければ軽々と30得点を奪うことが可能な選手を3人擁している。さらにシーズン再開となれば、肩の負傷で長期欠場していたザック・コリンズ、昨年3月末に左足の大ケガを負ったユスフ・ヌルキッチという2人のビッグマンが復帰する見込みだけに不気味なところ。リラードもレイカーズとブレイザーズによるシリーズを「誰もが見たいマッチアップになるだろうと感じている」と口にしている。

 もっとも、リラードは決してグリズリーズを批判しているわけではない。

「別に俺は誰もメンフィスを見たくはない、と言ってはいない。彼らは第8シードの座を死守しているんだから、(プレーオフへ出場できる)チャンスを勝ち取ったんだ。ハードにプレーしているし、見ていてエキサイティングで才能ある若手も豊富だ。メンフィスからすれば、失うものなんて何もないんだから、立ち向かっていくだろう。どちらのチームが出ても、レイカーズ側はある程度消耗すると思う」と話しているからだ。

日本時間2月1日のレイカーズ戦で、リラードは48得点の大暴れで勝利へと導いた[写真]=Getty Images

 ただし、リラードはブレイザーズにあって、グリズリーズにないものとして経験値を指摘。そしてアウェーで行われた2月1日の試合に127-119で勝利しており、自身がゲームハイの48得点を奪っていたことで好感触を得ているという。

「俺たちの方が(グリズリーズよりも)いいと思う。これまでプレーしてきたキャリアという経験値があるからね。それに、今からそう遠くない時期に俺たちはLAでプレーして、俺は最高のゲームをして制したんだ。プレーオフだからそう簡単にあの時みたいなゲームプランとはいかないだろう。でも俺は彼らと戦いたい。それが俺たちの望みだ」。

 レブロン、アンソニー・デイビスという両輪に経験豊富なサポーティングキャストを有するレイカーズは今季の優勝候補。そのレイカーズへの挑戦権を懸けた戦いは、是非見てみたいものだ。

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