2020.05.26

『ESPN』が選出したウェストの歴代ベストスターター/ノースウェスト・ディビジョン編

サンダーからはもちろん、ビッグ3(右からデュラント、ハーデン、ウェストブルック)が選ばれた[写真]=Getty Images
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 5月22日(現地時間21日、日付は以下同)。現地メディア『ESPN』は、ウェスタン・カンファレンスの計15チームにおける、フランチャイズ歴代ベストのスターター5選手を発表した。

 同メディアは、ライター陣へウェスト各チームのスターター5選手を聞き込み、そのフランチャイズに在籍していた期間における活躍度、インパクトを加味して選出している。

 ここでは、ノースウェスト・ディビジョンに所属する5チームの歴代最強スターター陣を紹介していきたい。
※カッコ内は所属期間、赤字は現役選手、G=ガード、F=フォワード、C=センター

<『ESPN』選出の歴代最強スターター陣
(ウェスタン・カンファレンス/ノースウェスト・ディビジョン編)>

デンバー・ナゲッツ
G:ファット・リーバー(1984~90年)
G:デイビッド・トンプソン(1975~82年/ABA含む)
F:アレックス・イングリッシュ(1980~90年)
F:カーメロ・アンソニー(2003~11年)
C:ディケンベ・ムトンボ(1991~96年)

全盛時に平均約30得点を残したトンプソン、イングリッシュ、カーメロ

 この5人を見て、「ニコラ・ヨキッチは?」という疑問を抱くはずだ。彼はフランチャイズ史上最も偉大な選手の1人になるチャンスがある。だが彼はまだ25歳。

 一方のムトンボは、94年のプレーオフ1回戦で第8シードながら第1シードのシアトル・スーパーソニックスを3勝2敗(当時は3戦先勝)で下す世紀の番狂わせを果たしたディフェンシブアンカーであり、殿堂入りした選手である。

 イングリッシュ、カーメロ、トンプソンは平均20得点以上を記録するスコアラーたちで、全盛時には平均30得点近くを残してきた。そこにフロア上の指揮官としてリーバーはうまくフィットするだろう。

カーメロはニックスに次いで2チーム目の選出となった[写真]=Getty Images

ミネソタ・ティンバーウルブズ
G:リッキー・ルビオ(2011~17年)
G:サム・カセール(2003~05年)
F:ケビン・ガーネット(1995~2007、15~16年)
F:ケビン・ラブ(2008~14年)
C:カール・アンソニー・タウンズ(2015~現在)

NBA史上唯一となる主要5部門でチーム最多記録を保持するKG

 フランチャイズ史上3人のベストプレーヤーはいずれもビッグマンだ。KGことガーネットは通算得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックでチーム最多記録を保持しており、この5部門でフランチャイズ記録となっているのはリーグでただ一人。タウンズ(平均22.7得点11.8リバウンド)、ラブ(平均19.2得点12.2リバウンド)もモンスタースタッツを残している。

 なお、タウンズは3ポイントをあと14本決めればアンドリュー・ウィギンズ(現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)を抜いてチーム史上トップに躍り出ることとなる。

 ルビオは通算アシストとスティールでガーネットに次ぐ2位、カセールは在籍わずか2シーズンながら、03-04シーズンにはカンファレンス・ファイナル進出に大きく貢献。個人としてもオールスターとオールNBAセカンドチームに選出された。

ウルブズで数多くのフランチャイズ記録を保持するガーネット[写真]=Getty Images

オクラホマシティ・サンダー
G:ラッセル・ウェストブルック(2008~19年)
G:ジェームズ・ハーデン(2009~12年)
F:ケビン・デュラント(2008~16年)
F:ポール・ジョージ(2017~19年)
F:サージ・イバカ(2009~16年)

KD、ウェストブルック、ハーデンという3人のMVPを輩出

 全5選手が現役であり、いずれもチームを退団した選手たちとなった。12年秋、ハーデンが契約延長の交渉の際に金額面で妥協していれば、ウェストブルック、KDことデュラント、イバカにハーデンというスーパーチームを保持できたのかもしれない。

 オクラホマシティ・サンダーというチーム名になってから約12年。このチームは3人のMVP(デュラント、ウェストブルック、ハーデン)を輩出し、オールNBAチームとオールスターに多くの選手を送り込んできた。ベンチにもカーメロ・アンソニー(現ポートランド・トレイルブレイザーズ)とクリス・ポールがいるのだから、決して悪いメンバーではないだろう。

昨季MVP級の活躍を見せたジョージも選ばれた[写真]=Getty Images

ポートランド・トレイルブレイザーズ
G:デイミアン・リラード(2012~現在)
G:クライド・ドレクスラー(1983~95年)
G:ブランドン・ロイ(2006~11年)
F:ラマーカス・オルドリッジ(2006~15年)
C:ビル・ウォルトン(1974~79年)

ケガに泣いたウォルトンとロイはブレイザーズでベストな状態でプレー

 ブレイザーズのスターター陣はため息をついてしまうほど豊富なタレントであり、「もしケガをしていなければ…」と思ってしまう。ケガのため短いキャリアになってしまったウォルトンとロイは、ポートランドでさらに見事なキャリアを送っていたかもしれない。だがベストな状態のウォルトンはユニークなスキルを持ち合わせた驚異的なビッグマンで、ロイは当時リーグ有数の技巧派スコアラーだった。

 殿堂入りしたドレクスラーはチームをウェストの覇者へと2度導き、このフランチャイズにおいてベストに近い成功へと導いた。オルドリッジは在籍時にリーグ屈指のスコアリングビッグマンだった。そしてリラードはブレイザーズ史上ベストな選手へと躍進していくことだろう。

技巧派スコアラーのロイは、勝負どころにも滅法強かった[写真]=Getty Images

ユタ・ジャズ
G:ジョン・ストックトン(1984~2003年)
G:ピート・マラビッチ(1974~79年)
F:エイドリアン・ダントリー(1979~86年)
F:カール・マローン(1985~2003年)
C:ルディ・ゴベア(2013~現在)

ゴベアがイートン、マラビッチがグリフィスを押しのける

 ジャズを2度のファイナルへと導き、数多くの勝利をもたらしてきたストックトンとマローンの選出は当然。ダントリーはチーム史上きってのスコアラーで、ジャズ在籍時に平均29.6得点、フィールドゴール成功率56.2パーセントをマーク。7シーズンをプレーして、得点王に2度輝いている。

 現役から唯一選んだゴベアは、キャリア平均3.5ブロックを誇るマーク・イートンよりもオフェンス面とリバウンド面で優れている。ダレル・グリフィスを外すのはつらかったが、“ピストル・ピート”マラビッチはニューオーリンズ・ジャズ在籍時に平均25.7得点5.7アシストというきわめて効果的な成績を残していた。

ジャズを長年に渡ってプレーオフへと導いたマローン(上)とストックトン(下)[写真]=Getty Images

■<特別編>シアトル・スーパーソニックス
G:ゲイリー・ペイトン(1990~2003年)
G:ガス・ウィリアムズ(1977~84年)
F:デトレフ・シュレンプ(1993~99年)
F:ショーン・ケンプ(1989~97年)
C:ジャック・シクマ(1977~86年)

79年の優勝メンバー、96年のファイナル進出時の主軸が選出

 1967-68から2007-08シーズンまでNBAに参入し、79年にはチャンピオンとなった球団。ペイトン、ケンプ、シクマは、ソニックス在籍時に少なくともオールスターに5度選ばれているため、この3人のスターター入りは確実。ガードではフレッド・ブラウン、レイ・アレンという有力候補がいたものの、ここでは79年の優勝メンバーで、複数回のオールNBAチーム入りを果たしたウィリアムズをセレクト。

 最後のスポットには、スペンサー・ヘイウッド、ラシャード・ルイスという対抗馬がいる中、シュレンプを選んだ。ペイトン、ケンプと共に96年のファイナル進出に大きく貢献したフォワードは、持ち前の万能性と効率よいプレーを見せていたからだ。

ゲームタイムダンカーとして強烈なインパクトを残したケンプ[写真]=Getty Images

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