カリー、トンプソン、グリーンの完全復活でベテランFAには魅力的な移籍先に
2014-15から18-19シーズンというもの、ゴールデンステイト・ウォリアーズは歴史的な快進撃を続けてきた。5シーズン連続で57勝以上を記録し、ウェスタン・カンファレンスを制していずれもNBAファイナルという頂上決戦へと駒を進め、3度の優勝を飾ってきた。
今季はベテランが退団したことに加え、ステフィン・カリーが長期離脱、クレイ・トンプソンがケガのため全休、ドレイモンド・グリーンがケガなどで精彩を欠いたことで、リーグワーストの15勝50敗(勝率23.1パーセント)に終わったとはいえ、このチームが誇る3人の基盤が来季に完全復活を遂げることで、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)の下、ウォリアーズは再び覇権争いに絡んでくることが期待されている。
今季終了後、ウォリアーズの選手でフリーエージェント(FA)になるのはドラガン・ベンダーとチェイソン・ランドル、チームオプションのデイミオン・リーとマイケル・ミュルダーくらいで、多くの選手たちが来季も契約下にある。
だがカリー、トンプソン、グリーン、今季途中加入したアンドリュー・ウィギンズの4人だけで計1億3014万ドル(約139億2498万円)と超高額なサラリーのため、ウォリアーズにキャップスペースはないに等しい。
それでも、地元メディア『NBC Sports Bay Area』は6月13日(現地時間12日)に掲載した記事の中で、チャンピオンシップ獲得を求めて、すでに来季ウォリアーズへ加入することを狙っているかもしれない7人のFA選手をリストアップしていたので紹介したい。
※チーム名は略称
■今季終了後にウォリアーズ行きの可能性を持つFA7選手
1.マルク・ガソル(ラプターズ/制限なしFA)
昨季途中にグリズリーズからラプターズへ加入し、ファイナルでウォリアーズを下して初優勝を味わった35歳の大ベテラン。キャリアが終幕に近づく中、ガソルはさらにチャンピオンリングを獲得することにフォーカスしているという。
もしスペイン出身の多彩なビッグマンがウォリアーズに加われば、新たな優勝経験を持ち込むことができるだけでなく、マーキーズ・クリス、ケボン・ルーニーと良いローテーションを組むことができるだろう。ディフェンスに定評があり、フロアを広げて3ポイントを決めることが可能だからだ。高額年俸を要求されるかもしれないが、優勝するチャンスがあることを最大限にプッシュすれば、首を縦に振る可能性はある。
2.エバン・ターナー(ウルブズ/制限なしFA)
31歳を迎えたベテランスイングマン。198センチ99キロのサイズを活かし、ボールハンドラー役を務めることもできる。カリー、トンプソンに次ぐ堅実なガードとしてフィットできるのではないか。
ターナーは魅力的なディフェンダーであり、ロッカールームへ好影響を与えるベテランなのだが、3ポイントに難があるのが気がかりか。ウォリアーズはターナーではなく、3ポイントに秀でた選手をFA市場で探すかもしれないが、昨季まで在籍していたコンボガード、ショーン・リビングストンのような役割を期待できるかもしれない。
3.グレン・ロビンソン3世(シクサーズ/制限なしFA)
昨夏ウォリアーズへ加入するも、今季途中でシクサーズへとトレードされた苦い経験があるものの、ロビンソン3世はウォリアーズで複数のポジションの選手たちをガードし、3ポイント成功率40.0パーセントを残し、上質な2ウェイプレーヤーであることを証明。来季この男が再びウォリアーズでプレーしていたとしても、決して驚くことではない。
4.サージ・イバカ(ラプターズ/制限なしFA)
30歳を迎えたベテランビッグマンは、今季いずれもキャリアハイとなる平均16.0得点に3ポイント成功率39.8パーセントをマーク。イバカ本人はラプターズとの再契約を望んでいるものの、ウォリアーズのシステムにもうまくフィットするはずだ。フロアを広げることができ、ディフェンス面でもインパクトを与えることができるだけに、ウォリアーズからすれば十二分に魅力的。だがキャップスペースに余裕がないため、イバカ獲得はさすがに厳しいか。
5.ケント・ベイズモア(キングス/制限なしFA)
ドラフト外でウォリアーズに入団し、約2シーズンをプレーしたスイングマンは、カリー、トンプソン、グリーンともプレー経験がある。この男の万能性と、キャリア平均の3ポイント成功率35.0パーセントというシュート力は、トンプソンとウィギンズに次ぐウイングの3番手として獲得したい人材である。
6.ポール・ミルサップ(ナゲッツ/制限なしFA)
35歳を迎えたベテランフォワードに、オールスター級のパフォーマンスを期待することはさすがに酷だろう。だがミルサップを獲得できれば、ベンチからの得点力と101試合という豊富なプレーオフ経験(昨季終了時点)を持ち込むことができる。優勝経験のないベテランにとって、ウォリアーズは魅力的な移籍先であり、ミルサップが持つ豊富なスキルセットは、カーHCの下で完璧にフィットするかもしれない。
7.ウィルソン・チャンドラー(ネッツ/制限なしFA)
ここ数年、スタッツ自体は落ちているものの、ウォリアーズが再びトップレベルのチームへと巻き返すために重要な役割を担ってくれそうな選手。両フォワードをこなせる33歳のベテランは、3ポイントとディフェンスに秀でた“3&D”の役割を得て復調するかもしれない。低年俸で契約できそうな点も魅力的だ。