「もし俺が右利きだったら、今の俺にはなっていなかっただろうね」
8月3日(現地時間2日、日付は以下同)。ヒューストン・ロケッツはミルウォーキー・バックス相手に120-116で勝利し、シーズン再開から2連勝を飾った。
ヤニス・アデトクンボ(211センチ)、ブルックとロビン(共に213センチ)のロペス兄弟という高さのあるビッグマンがそろうバックスを相手に、ローテーション入りする選手が203センチ以下というスモールラインナップを敷くロケッツは、同チームが保持する1試合最多の3ポイント試投数(61本)を記録し、21本を沈めた(成功率34.4パーセント)。
ロケッツはこの試合、ラッセル・ウェストブルックが31得点6リバウンド8アシスト、ジェームズ・ハーデンがシュートタッチに苦しみながらも24得点7リバウンド7アシスト6スティールを奪うなど、計5選手が2ケタ得点を奪取。
チーム全体のフィールドゴール成功率は39.6パーセントで、リバウンド数では36-65と大差を付けられていたのだが、バックスから22本ものターンオーバーを誘発するなどディフェンスで奮闘していた。
ハーデンが「最も重要なこと」として挙げたのはディフェンス。「ゲームを通して、俺たちはいくつか、本当にいいディフェンスができていた。相手は有能なオフェンシブチームだが、俺たちは必要とされる場面でストップしてみせた」と振り返った。
そしてハーデンはこの試合で24得点を挙げたことで、通算2万796得点に到達。提督ことデイビッド・ロビンソン(元サンアントニオ・スパーズ/通算2万790得点)を抜き、NBA歴代39位へと浮上。
これにより、ハーデンは30歳ながら、左手でショットを放つレフティの選手として、早くもNBA歴代最多得点をクリア。自慢のあごひげに巧みなボールハンドリング、ファウルを獲得する術、そしてシグネチャームーブとなりつつあるステップバックスリーなど、ハーデンにはいくつも特徴があるのだが、左利きという点もこの男にオリジナリティを加えている。
ハーデン自身も2015年8月に「もし俺が右利きだったら、今の俺にはなっていなかっただろうね」と話しており、レフティならではのタイミングやシュートフォームでマッチアップ相手と距離感を作り出すことができていると言っていいはずだ。
再開後の2連勝でウェスタン・カンファレンス4位へと上昇したロケッツが、ハーデンとウェストブルックを中心にどこまで順位を上げることができるのか。今後の展開に注目していきたい。