「若い選手が成長を遂げて、最も大きなステージでスーパースターへと変化している。これ以上、彼のことを誇りに思うことはない」とナゲッツ指揮官
8月26日(現地時間25日、日付は以下同)。ウェスタン・カンファレンス3位のデンバー・ナゲッツが同6位のユタ・ジャズとのプレーオフ ファーストラウンド第5戦に臨んだ。
両チームによるシリーズは4戦を終えてナゲッツの1勝3敗。この試合に敗れるとファーストラウンド敗退という窮地に、ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーというナゲッツの2枚看板が気を吐いた。
まずはヨキッチが第1クォーターに5本の3ポイントを全て沈めるなど計21得点の大暴れ。そして後半に入るとマレーが33得点を奪う超絶パフォーマンスでジャズを振り切り、ナゲッツが117-107で勝利。
「今夜は我々にとって非常に重要な勝利となった。この場に残り、シリーズを引き伸ばすことができたからね。第6戦で勝利する方法を探り、第7戦までもつれ込むようにしなければならない。ジャマールとニコラが今夜のような活躍を続けることがカギになるだろう」。
マイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)からそう絶賛された2枚看板は、見事なパフォーマンスでナゲッツを勝利へと導いた。
シリーズ戦績を2勝3敗としたナゲッツは、マレーがゲームハイの42得点に8リバウンド8アシスト、ヨキッチが31得点6リバウンド4アシストをあげたほか、マイケル・ポーターJr.が15得点、ジェレミー・グラントが13得点6リバウンド。
「若い選手が成長を遂げて、(プレーオフという)最も大きなステージでスーパースターへと変化している。これ以上、彼のことを誇りに思うことはない」と指揮官が語ったように、マレーはこの2試合で驚異的なパフォーマンスを続けている。
第4戦で50得点11リバウンド7アシストを挙げた23歳は、2試合連続で40得点以上をもぎ取ったことに加えて2試合ともターンオーバー皆無というオマケ付き。プレーオフで2試合連続の40得点超えでターンオーバーゼロは1983年以来初という快挙となった。
マレーは膝を打撲しながらプレーしているものの、この試合の重要性を誰よりも理解しており、「俺たちは勝たなきゃいけない試合だったんだ。シンプルなこと。そのことが俺たちを突き動かしている。あの位置へと導いているのさ」と勝利への飽くなき執念を明かした。
「彼とジョーカーは今夜、僕らの手の届かないレベルに達してた」とミッチェル
一方のジャズでは、第4戦で51得点をたたき出したドノバン・ミッチェルが30得点に5アシストとこの日も活躍。さらにマイク・コンリーが17得点5アシスト、ジョーダン・クラークソンが17得点、ジョー・イングルズが13得点、ルディ・ゴベアが11得点12リバウンド、ロイス・オニールが10得点3スティールを記録も、連勝は3でストップ。
このシリーズでハイスコアを連発することから、マレーとミッチェルの頭文字をとった“M&Mショー”と評されることについて、マレーは「楽しいね。そこにフォーカスしてるわけじゃないけど、気にしないようにするのは難しいよ」と一言。
ミッチェルの豪快なダンクも強烈だったが、この日マレーが第3クォーター終盤にゴベアをかわして決めた360度レイアップはそれを上回るほど見事なプレーだった。
この日マレーの大爆発の前に敗れたミッチェルは「彼は絶好調だった。多くの状況で有利になっていたよ。彼はショットメイカーであり、誰がマークについていようがお構いなしに決めてしまう。彼は相手チームのゴートゥガイなんだ。彼とジョーカー(ヨキッチの愛称)は今夜、僕らの手の届かないレベルに達していた」とコメント。
もっとも、ジャズがシリーズ突破に王手をかけていることに変わりはない。28日のシリーズ第6戦でジャズが決着をつけるのか、あるいはナゲッツが最終戦へとつなげるのか。次戦も激しいゲームになりそうだ。