AC経験こそないものの、ナッシュは「NBAチームを約20年間にも渡ってリードしてきました。この経験はきわめてユニークなこと」と現役時代の経験を主張
9月10日(現地時間9日、日付は以下同)。ブルックリン・ネッツは新たなヘッドコーチ(HC)としてチームに迎え入れたスティーブ・ナッシュの会見をオンラインで行った。
4日にネッツの指揮官へと電撃就任したナッシュは、現役時代に2度のシーズンMVPを獲得した経験を持つリーグ史上屈指の司令塔。2015年からゴールデンステイト・ウォリアーズでコンサルタントを務めていたとはいえ、アシスタントコーチ(AC)経験なしにHCの座を射止めた。
「ユニークな機会です。(このチームには)信じられないほどすばらしいロースター、すばらしい家族がおり、ショーン(マークスGM)のリーダーシップの下、オーナー夫妻がこの組織をサポートしてくれています。この組織の一部となって歩んでいくことを非常にうれしく思っています」。
会見でそう語ったナッシュは、指揮官就任の理由について「私は競い合うことを愛していて、教えることも大好きです。そしてチームの一部となってリードしていくことを非常に好んでいます」とコメント。そして『ESPN』のインタビューに応じた際には「外に出てチャレンジする時が来たということ」と発言。
ショーン・マークスGM(ゼネラルマネージャー)はケビン・デュラントとカイリー・アービングという2人のスーパースターがコーチに求めたことについてこう話している。
「あの2人は最高のコミュニケーターを望んでいた。彼らにとってリスペクトできる人物、コート外でも良好な関係を構築できるような人物をね。私がスティーブについて多く知っているのは、彼が究極のコミュニケーターだということ。彼らは今、そのコミュニケーターを手にしたんだ」。
ネッツは第二幕で暫定HCを務めたジャック・ボーンをトップACとして来季もチームに残すことを発表しており、ナッシュとデュラントのことを良く知るアダム・ハリントンACとも契約を結ぶ意向のようだ。
AC経験こそないものの、ナッシュはコート上の指揮官としてNBAで18シーズンもプレーしてきた。コーチングすることについても「私はNBAチームを約20年間にも渡ってリードしてきました。この経験はきわめてユニークなことだと思っています」と口にしている。
もちろん、「コーチングの技術的な面については今後学んでいき、理解していかなければいけません」とも話しており、NBAチームのHC経験を持つボーンが右腕としていることはナッシュにとっても大きなプラスと言っていい。
「(カイリーの)スキルレベルは歴史的に見ても群を抜いています。クリエイティブであり、闘争心も旺盛です。コーチすることが本当に楽しみです」
ネッツにはデュラント、カイリーというリーグ有数の実力者がいるのだが、ナッシュはデュラントとウォリアーズ在籍時に良好な関係を築いており、カイリーについてもすでにワークアウトをこなしたことがあると明かしている。
「カイリーはこれまでで最も好きな選手の1人。すばらしい選手です。(彼の)スキルレベルは歴史的に見ても群を抜いています。クリエイティブであり、闘争心も旺盛です。彼をコーチすることができるのは本当に楽しみです。彼がルーキーの時、私たちは良い関係を持つことができました。私が引退した後、ニューヨークシティで2、3日間トレーニングする機会もありました。あれはもう5、6年前のことですが、(ネッツのHC就任後にも)話す機会を得ています」。
そしてナッシュは「彼との関係を深めていくことを楽しみにしています。コート上で彼のすばらしさを見続けて、有意義な方法で彼のことをもっと理解していこうと思います。彼は実にすばらしい人間なのです」と続けた。
現役時代と同様に、ヘッドコーチとしてもユニークな存在になりそうなナッシュ。バスケットボール殿堂入りも果たしたレジェンドがデュラントとカイリーを率いてどのようなチームを作り上げていくのか。今から楽しみでならない。