2020.09.04

2018年に殿堂入りした名司令塔、スティーブ・ナッシュがネッツの指揮官へ就任

サンズやマーベリックスで活躍したナッシュがネッツを率いることとなった[写真]=Getty Images
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「我々は彼のことをリーダー、コミュニケーター、そしてこのチームの選手たちからリスペクトを集めるメンターになると見ています」とマークスGM

 9月3日。ブルックリン・ネッツは新たなヘッドコーチ(HC)としてスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)を招へいしたことを発表。『ESPN』によると、契約期間は4年だという。

 ここ数週間というもの、ネッツはオーナーのジョー・ツァイ氏、ゼネラルマネージャー(GM)のショーン・マークス氏が積極的にナッシュのリクルートを行い、2018年にバスケットボール殿堂入りを果たしたリーグ史上有数の名司令塔を指揮官として獲得した。

 マークスGMはリリースの中で、ナッシュについてこのように評している。

「我々はスティーブのことをリーダー、コミュニケーター、そしてこのチームの選手たちからリスペクトを集めるメンター(助言者)になると見ています。バスケットボール史上、最も偉大なオンコートリーダーの1人であり、彼の持つバスケットボールに対する鋭い洞察力と無視無欲のアプローチが、チームの成功を最優先させてきたことを私は見てきました。彼のゲームに対する生来の素質、コミュニケートできる能力、選手たちを共通のゴールへと団結させる力が、このチームをリーグで最も高いレベルで競い合う心構えとなるでしょう」。

サンズやマブスでリーダーとしてチームを引っ張ったナッシュ(中央)[写真]=Getty Images

 ナッシュはサンズ、ダラス・マーベリックス、ロサンゼルス・レイカーズで計18シーズンをプレーしたカナダ出身の名ポイントガード。キャリア平均で31.3分14.3得点3.0リバウンド8.5アシストを残し、通算1万335アシストはNBA歴代3位を誇る。

 また、2度のシーズンMVPを獲得したほか、オールスター選出8度、オールNBAチーム選出7度、アシスト王には5度輝いた実績を誇り、正確無比なシュート力の持ち主としても知られるレジェンド。

 ナッシュはリリースの中で「ネッツというトップクラスの組織でこのような機会を与えていただき光栄です。ショーン、そしてジョーとその奥さんに感謝しています。コーチングは、私が追い求めていたことでもありました。ブルックリンで際立った選手たちで形成されるグループと共に仕事をすることができて恐縮です。とても興奮しています」(抄訳)と話している。

「彼は俺が本当にリスペクトしていて、どんなことでも話せる人なんだ」とデュラントがウォリアーズ在籍時にコメント

 今季ネッツはプレーオフこそ進出したものの、トロント・ラプターズの前に4連敗を喫してファーストラウンド敗退。だが今年3月にケニー・アトキンソン前HCと決別し、アシスタントコーチ(AC)のジャック・ボーンが暫定HCとしてチームを率いて、シーディングゲーム(順位決定戦)を5勝3敗で乗り切ったことは大健闘と言っていい。

 というのも、ネッツはケビン・デュラントがケガのため今季を全休、カイリー・アービングも肩の負傷で20試合の出場に終わり、第二幕ではスペンサー・ディンウィディートーリアン・プリンスディアンドレ・ジョーダンといった主力が不在だったからだ。

 来季はデュラント、カイリーが完全復活することが期待されており、健康体を取り戻したロースターがそろえば、ネッツは一躍優勝候補へと浮上するかもしれない。

ナッシュはネッツでデュラントやカイリーという超大物を指導することに[写真]=Getty Images

 ナッシュは2015年からゴールデンステイト・ウォリアーズでコンサルタント役を務めており、昨季までウォリアーズに在籍していたデュラントは2018年に地元メディア『The San Jose Mercury News』へこう語っていた。

「彼は俺が本当にリスペクトしていて、どんなことでも話せる人なんだ。彼のバスケットボールマインドは、俺にとってこれまででたぶんベストだと思う。彼から多くのことを学んだよ。俺はこれまで、数多くの人からどのようにしてプレーするか教えてもらった。けど、彼はゲームに持ち込むことができる異なることをいくつも教えてくれる。彼にはすごく感謝してる」。

 なお、ボーン暫定HCはトップACとしてチームに残り、ナッシュの右腕となってネッツを支えていくこととなる。稀代の名司令塔が指揮官となったことで、来季のネッツが注目を集めることは確実。ナッシュがネッツをどんなチームへと仕立て上げるのか、期待は高まるばかりだ。

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