NBAは11月19日(現地時間18日、日付は以下同)に行なわれるドラフトから数日後にフリーエージェント(FA)戦線がスタートする予定。12月23日の開幕まで時間がない中、各チームは試行錯誤しながら戦力補強をこなしていくこととなる。
2019-20シーズンの覇者ロサンゼルス・レイカーズは、先日アンソニー・デイビスがプレーヤーオプション(PO)を破棄して制限なしFAとなり、再契約するだろうと『The Athletic』が報じていたものの、このチームが抱えるFAは多い。
ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、ラジョン・ロンド、エイブリー・ブラッドリー、ジャベール・マギーの今季契約がPOとなっており、ロンドは制限なしFAになることが濃厚。さらにドワイト・ハワードやマーキーフ・モリス、ジャレッド・ダドリーといったベテラン陣が制限なしFAとなる。
そんな中、11月9日に『Heavy.com』のショーン・ディビニー記者はレイカーズがFAの選手たちと再契約を結びつつ、新戦力を獲得しようとしていると報道。その候補としてサージ・イバカ(トロント・ラプターズ/制限なしFA)の名を挙げていた。
NBAチームでゼネラルマネージャー(GM)を務める人物は同メディアへ「私の個人的な視点だが、彼は間違いなくあのチーム(レイカーズ)が求める人材、4番(パワーフォワード)と5番(センター)を兼任できる選手だ」と切り出し、こう続けている。
「彼らはこれまでにも彼の獲得に興味を示しており、再び狙うことになるだろう。彼が健康体であれば、スターターとして5番でも4番でも優秀だ。それにベンチスタートとしても優れている。昨シーズンは3ポイントでも本当に信頼できる選手だった。もし彼がレイカーズ側の提示する金額を受け入れるのであれば、あのチームはきっと彼を欲しがるだろうね」。
キャリア11シーズン目を終えたビッグマンは、31歳のベテラン。昨季は55試合(うち先発は27試合)に出場して平均27.0分15.4得点8.2リバウンド1.4アシストを残し、3ポイントは38.5パーセントの高確率で平均1.3本を沈めた。
プレーオフでは平均22.8分14.8得点7.7リバウンド1.2アシスト1.3ブロックに3ポイント成功率51.1パーセント(平均2.1本成功)と絶好調。
イバカはこれまでのキャリアでNBAファイナルへ2度出場した経験を持っている。12年はオクラホマシティ・サンダー(マイアミ・ヒートに1勝4敗で敗退)、19年(対ゴールデンステイト・ウォリアーズ)にはラプターズの一員として貴重な働きをみせてフランチャイズ史上初優勝に大きく貢献している。
ポストプレー、ドライブ、ロングレンジジャンパーに3ポイントまで決めることができ、攻防両面でエネルギッシュなプレーでチームを盛り立てることができるイバカは、ラプターズが再契約を狙うだけでなく、複数のプレーオフチームが欲しがる選手と言っていい。
レイカーズがこのベテランを獲得するための強みは、何といっても優勝する可能性が高いこと。レブロン・ジェームズ、デイビスというリーグ最強タッグを擁していることは、イバカが自身2度目の優勝を勝ち取ることを重視しているのであれば十二分に魅力的。
ただし、昨季の年俸が約2327万ドル(約23億9681万円)と超高額だったイバカが今年のFA戦線でも高額年俸を求めているとなれば話は別。リーグの中でも希少な万能型ビッグマンがどのような決断を下すのか。今後の動向に注目していきたい。