マイケル・ジョーダンが『ラストダンス』の収益約2億円を飢餓と戦うフードバンクに寄付

フードバンクへ多額の寄付を行ったジョーダン[写真]=Getty Images

 バスケットボールの歴史において、この先も長く語り継がれるであろう『マイケル・ジョーダン: ラストダンス』。「ESPN」と「Netflix」の共同制作による同スポーツドキュメンタリーは、マイケル・ジョーダンというNBAが生んだ史上最高のスターを中心に、フィル・ジャクソンやスコッティ・ピペンらのインタビューと未公開映像を交え、90年代のシカゴ・ブルズの黄金期をなぞった。知られざる舞台裏、そして選手やコーチングスタッフの生の声は、伝説としてしかその偉業を知らない若者にもブルズを知るきっかけを与え、多方面からの賞賛を受けてエミー賞ドキュメンタリー部門の作品賞も受賞した。

『NBC News』によると、主演のジョーダンは、本作への出演により最大400万ドル(約4億2000万円)を手にしたと伝えられている。しかし、バスケットボールの神様は、過去の栄光を語ることで得た収入を懐に入れることはしなかった。

 ジョーダンは、収益のうち約200万ドル(約2億1000万円)を、自身を育んだノースカロライナとブルズが本拠地を置くシカゴのフードバンクに寄付したようだ。

「新型コロナウイルスの影響を受け、想像を絶するほど困難なときを迎えている今、立ち止まって感謝を伝えることがこれまで以上に重要になりました」、そう語ったのは他でもないジョーダン本人である。

「私は、アメリカで食事に困る人々を救うために、フィーディング・アメリカ(全米に展開するフードバンクのネットワーク)と、そのメンバーであるノースカロライナおよびシカゴのフードバンクに『ラストダンス』の収益を寄付できることを大変うれしく思います」

 また、ジョーダンからの寄付を受けて、「フィーディング・アメリカ」は公式SNSで感謝の言葉を伝えている。

「信じられない贈り物に感謝申し上げます。NBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンが飢えに苦しむ人々のために、200万ドルを寄付してくれました」

 MJは、広く寄付を行い、いまだ解決されない社会問題の改善と認知度向上に尽力している。そもそも、ジョーダンは以前、貧困の悪循環を断ち切ることに専念する非営利団体「フレンズ・オブ・ザ・チルドレン」に『ラストダンス』の収益を全額寄付することを公言。また、ジョーダンは今年6月、ナイキとともに展開するジョーダン・ブランドより声明を発表し、人種差別撲滅のために戦う団体に今後10年間で1億ドル(約104億円)を寄付することを約束している。

 気がついたときが、行動のタイミング。ジョーダンのような大規模な寄付はできなくても、一人ひとりの小さな行動が世界をよりよい方向へと動かしていくのではないだろうか。

文=Meiji

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