昨季のプレーオフ。ウェスタン・カンファレンス3位の46勝27敗を記録したデンバー・ナゲッツは、ユタ・ジャズとのファーストラウンド、ロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンス・セミファイナルをいずれも1勝3敗から3連勝という大逆転劇で突破し、2009年以来初となるカンファレンス・ファイナルへと勝ち進んだ。
王者となったロサンゼルス・レイカーズ相手に1勝4敗でシリーズを終えたものの、ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーを中心に快進撃を見せたことは記憶に新しい。
オフシーズンにジェレミー・グラントとメイソン・プラムリーがデトロイト・ピストンズ、トーリー・クレッグがミルウォーキー・バックスへ移籍したものの、アルゼンチン代表の司令塔ファクンド・カンパッソ、フォワードのジャマイカル・グリーンといった新戦力を獲得している。
だがナゲッツにとって最も大きな“補強”は、ウィル・バートンの復帰かもしれない。昨季いずれもチーム3位の平均15.1得点3.7アシスト1.1スティールを残したスイングマンは、膝と背中のケガのため第二幕を全休。
長いリハビリとトレーニングの末、バートンは12月17日(現地時間16日、日付は以下同)に行なわれたポートランド・トレイルブレイザーズとのプレシーズンゲームで戦列復帰を飾り、約18分の出場で9得点3アシスト1スティールを残し、勝利に貢献した。
ただし、この日は2年目のマイケル・ポーターJr.がスターターとして出場して10得点5リバウンドを残し、バートンはベンチスタートだった。昨季までの約2シーズンというもの、バートンはナゲッツ不動の先発スモールフォワードを務めていたのだが、リハビリからの復帰戦ということもあり、先発を外れたのかもしれない。
だがこの日の試合後、バートンが「俺はシックスマンになるつもりは全くない。なりたいとも思わない」と語っていたと『DNVR Sports』が報道。あくまでスターターとしてプレーすることにこだわる姿勢を見せていた。
ナゲッツはここ数シーズンというもの、マレー、ギャリー・ハリス、バートン、ポール・ミルサップにヨキッチという不動の先発陣で戦ってきた。バートン不在となった昨季の第二幕ではグラントやクレッグ、ポーターJr.といった選手たちが先発入りしていたが、本来はバートンのポジションだったことは言うまでもない。
とはいえ、もしチーム側がポーターJr.を先発起用し、バートンがシックスマンへ転向することを拒絶した場合、チームケミストリーにヒビが入る可能性も捨てきれない。バートンは来季の契約がプレーヤーオプションのため、見返りなしに出ていかれることが濃厚と判断すれば、ナゲッツはトレードを検討することになりそうだ。