2020.12.26
9月27日(現地時間26日、日付は以下同)。デンバー・ナゲッツはロサンゼルス・レイカーズとのウェスタン・カンファレンス・ファイナル第5戦に107-117で敗れたことで、1勝4敗となり、今シーズンに幕を下ろした。
だがナゲッツは約1か月半という期間の中、プレーオフで快進撃を見せた。ユタ・ジャズとのファーストラウンド、ロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンス・セミファイナルでいずれも1勝3敗という絶体絶命の窮地からいずれも3連勝と、大逆転劇を連発して2009年以来初のウェスト決勝へ進出。
この日もニコラ・ヨキッチが20得点7リバウンド5アシスト3スティール、ジェレミー・グラントが20得点9リバウンド、ジャマール・マレーが19得点8アシスト、ポール・ミルサップが13得点、ベンチスタートのマイケル・ポーターJr.とモンテ・モリスがそれぞれ10得点し、最後まで戦い抜いた。
「僕が5年前にここへやって来た時(15-16シーズン)、このチームは33勝(49敗)だった。でも今、このチームはウェスタン・カンファレンス・ファイナルという位置にいる。だから、僕らはものすごく大きな進歩を遂げてきたんだと思うね。選手として、グループとして、組織全体としてね。信じられない飛躍だったと思う」。
試合終了後にヨキッチがそう語ったように、ナゲッツはこのオールスタービッグマンを中心に、マレーやギャリー・ハリス、ウィル・バートン(膝の負傷で第二幕を全休)、ミルサップといったコアメンバーにポーターJr.やモリス、グラントといった選手たちをそろえ、強豪ぞろいのウェストを勝ち抜くチームへと成長。
だが不運なことに、マレーはこの試合で右足打撲と右膝骨挫傷を負ってしまい、ベストなパフォーマンスを見せることができなかった。
「足に大きな痛みを抱えてしまったんだ。それが試合を通して俺を痛めつけることになった。シューズを変えたけど、効果はなかった。今日はちょっと苦しんでいたんだ」と明かしたマレー。
そして長丁場の戦いを繰り広げてきたことで、マレーは「エナジーが残っていなかった。チームメートたちと戦うために必要なエナジーがね。ゲームを通して何とかやってやろうとトライしてきた。どんな理由があろうと、このチームを助けて、勝利へと導きたかった」と悔やんだ。
とはいえ、ナゲッツがここまでの快進撃を続けることができたのは、プレーオフに入って超絶スコアラーへと変貌を遂げたマレーがいたからこそ。
「彼は信じられない男。彼は僕らのリーダーであり、彼の持つエナジーがプレーオフを通して僕らを支えてきた。本当にすばらしかったよ。僕がバブル(第二幕の開催地)へ合流した時、彼は少し負傷していたけど、彼はファイターであり、競争者で、驚異的なシューターでもある。すばらしいプレーを見せてくれたよ」。
ヨキッチがマレーへ送ったこの言葉は、チームメートたちならびにコーチングスタッフの思いを代弁していたと言っていいだろう。
「この試合で、俺はもっといいプレーができていたかもしれない。でもこれまでいい戦いができた。だけど、俺はこのまま敗者でいたくはない。負けるのが嫌いなんだ。俺にとって負けることは本当に何の意味もないんだ」とマレー。
ウェスト決勝まで勝ち上がったチームが、翌年のプレーオフでも同じ位置あるいはNBAファイナルまで駆け上がることができる保障はどこにもない。
それでも、今年のプレーオフでナゲッツが見せた戦いぶりは、来年以降のさらなる飛躍を期待させるものだと言っていいのではないだろうか。
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