2020.12.04
9月23日(現地時間22日、日付は以下同)に『GQ』へ掲載された記事の中で、殿堂入りしたビッグマン、ビル・ウォルトン(元ポートランド・トレイルブレイザーズほか)がデンバー・ナゲッツのオールスターセンター、ニコラ・ヨキッチについて話していた。
1974年のドラフト全体1位でブレイザーズに入団したウォルトンは、211センチ95キロのビッグマン。足のケガに泣かされ、キャリア10年で現役を終えることになったものの、得点・リバウンド・アシストの3拍子そろったセンターとして活躍。
76-77シーズンには平均18.6得点14.4リバウンド3.8アシスト3.2ブロックをマークし、ブレイザーズをフランチャイズ史上初優勝に導いてファイナルMVPを獲得。翌77-78シーズンにはいずれもキャリアハイとなる平均18.9得点5.0アシストに13.2リバウンド2.5ブロックをたたき出し、シーズンMVPに輝いた。
キャリア終盤にはボストン・セルティックスでラリー・バード、ケビン・マクヘイル(共に元セルティックス)、ロバート・パリッシュ(元セルティックスほか)という“ビッグ3”のバックアップに回り、85-86シーズンには平均7.6得点6.8リバウンド2.1アシスト1.3ブロックをマークし、最優秀シックスマン賞を手にすると共に自身2度目の優勝も勝ち取った。
通算468試合に出場したウォルトンは、キャリア平均28.3分13.3得点10.5リバウンド3.4アシスト2.2ブロックを記録。オールスター、オールNBAチーム、オールディフェンシブチームにはそれぞれ2度輝き、93年にバスケットボール殿堂入り。
ビッグマンとしてはNBA史上トップクラスのパサーという評価を得ているウォルトンだが、稀代の万能型ビッグマン、ヨキッチには衝撃を受けているという。
「彼は実に興味深い選手であり、観ていてものすごく面白いんだ。一緒にプレーしたらどれだけ面白いか、と思ってしまう。最高のチームメートで、勝利を収めるうえで見事なスキルが備わった選手のように見えるね。それにあの男は実に多彩だ。大柄かつ強靭であり、パワフルで運動量も多く、知性も備わっているし、クリエイティブで協力的。類語辞典として自らの体内から出しているね。彼は多くのことを自らが生み出しているのさ」。
ウォルトンはヨキッチのプレーに対して、最大級の賛辞を送ったと言っていいだろう。213センチ128キロ(公称)のセンターながら、ヨキッチは2シーズン連続で平均7.0アシスト以上を残しつつ、20得点10リバウンド級の数字を残しており、“ポイントセンター”と言っても過言ではない。
そして相手の意表を突くパスさばきやワンフットジャンパーでナゲッツを窮地から何度も救っていることも見逃せない。そこにはノールックパスはもちろんのこと、ビハインドザバックや肩越しのパス、バレーボールのトスのようなパスなど、柔らかさとクリエイティブさを兼備しており、実況や解説どころかコート上にいる選手さえも「そう来たか」という表情を浮かべてしまうものもある。
ヨキッチは25歳ながらトリプルダブルを計41度(レギュラーシーズン/歴代10位)も達成しており、センターとしてこの男を上回るのは歴代6位の78度を誇るウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)のみ。
今後もナゲッツの大黒柱として、ヨキッチがチームをけん引していくことは間違いない。ユニークでバラエティに富んでおり、クリエイティビティあふれるプレーの数々を是非とも楽しんでいただきたい。
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