4月30日(現地時間29日、日付は以下同)に行なわれたダラス・マーベリックスとデトロイト・ピストンズによる一戦は、終盤まで勝敗の行方が分からない接戦となった。
この日マブスはルカ・ドンチッチ(ヒジ)が欠場。クリスタプス・ポルジンギスも膝に痛みを抱えて途中退場する事態となったのだが、第4クォーター中盤からティム・ハーダウェイJr.が立ち上がった。
2点ビハインドで迎えた残り5分32秒にジャンパーを沈めて同点に追いつくと、その後もプルアップジャンパーやフリースロー、ステップバックジャンパーをねじ込み、残り1分4秒にとどめとなる3ポイントを突き刺し、115-105でマブスの勝利に大きく貢献。
「最も重要なのは、チームの皆が健康体でいること。それが一番に優先すべきことだね。僕は誰かがいないなら代わりに立ち上がってその穴を埋めてやる、というメンタリティでコートに出てプレーしただけ」。
試合後にそう話したハーダウェイJr.は、6本の3ポイント成功を含むキャリアハイの42得点をマーク。さらにトレイ・バークが15得点、ジェイレン・ブランソンが13得点、ポルジンギスが11得点、ジョシュ・リチャードソンが10得点7リバウンドで続いた。
最終クォーターに17連続得点でマブスを引っ張ったハーダウェイJr.は、今季ここまで1試合のみの欠場でチーム最多となる61試合に出場している。リック・カーライルHC(ヘッドコーチ)はこの日の殊勲者をこう評していた。
「この1年を通して、彼はこのチームの鉄人になっているね。彼をどこかの時点でゲームから外すように話しているけど、今夜はそうはいかなかった。なぜって、今日の会場は彼のホーム、ミシガンだったからね」。
ミシガン大学出身のハーダウェイJr.は、オールスター選出5度、オールNBAチーム選出5度を誇る父ハーダウェイSr.(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)の持つ45得点には3点届かなかった。
だがこの試合を父が会場で見ていたことで、ハーダウェイJr.は「父さんが会場にいる時というのは、僕にも分からないんだけどこういうことが起こるような気がするね」と、まるで父が背中を押してくれたかのような言葉を残していた。
マブスはこの勝利で今季戦績を35勝27敗とし、ウェスタン・カンファレンス6位の座を堅持。ドンチッチ、ポルジンギスという2枚看板がコートに立てない中、接戦を制すという価値ある勝利を手にしたと言っていいだろう。