攻防両面でシリーズ最高の働きを見せたドリュー・ホリデー「どんなことであろうと…」

バックスで貴重な働きを見せているホリデー[写真]=Getty Images

 今季からミルウォーキー・バックスへ加入したドリュー・ホリデーは、ヤニス・アデトクンボクリス・ミドルトンと共に3本柱を形成。プレーオフでイースタン・カンファレンスを勝ち上がり、NBAファイナル進出に大きく貢献した。

 ホリデーは攻防両面に秀でたコンボガードとしての評価を確立しており、2013年にオールスターへ選出されただけでなく、今季を含めてオールディフェンシブチームに3度も選ばれた実績を誇る。

 フェニックス・サンズとのファイナル第5戦では、フィールドゴール60.0パーセント(12/20)、3ポイント50.0パーセント(3/6)の27得点に13アシスト3スティールと大暴れ。試合時間残り約1分には値千金のスティールを奪い、アデトクンボのアリウープダンクをアシストした。

 現在バックスのチームメートの中にも、オフェンスとディフェンスの両面に優れた2ウェイプレーヤーとしてのホリデーを知る選手がいる。それがパット・カナトンだ。ポートランド・トレイルブレイザーズに在籍していた2018年のプレーオフ ファーストラウンドで、ホリデーはニューオーリンズ・ペリカンズでアンソニー・デイビス(現ロサンゼルス・レイカーズ)と共にチームをけん引し、カナトンとブレイザーズを4戦負けなしのスウィープで下したのである。

 カナトンは「彼のディフェンスは見事だったし、守り方も多種多彩なんだ。彼はフィジカルで、機敏で、強じんなんだ。それにクイックハンドの持ち主でもある」と明かすと、さらにこう続けていた。

「オールディフェンシブファーストチームの選手によるプレーだ。あのスティールは最優秀守備選手賞級のプレーだった。僕らはディフェンスで構築されたようなチーム。この2試合では強烈なディフェンシブ・ストップがあったからこそ、僕らは抜け出すことができたんだ」。

 カナトンの言葉どおり、バックスは第4戦でアデトクンボのスーパーブロック、第5戦ではホリデーの貴重なスティールが決まり、サンズとの接戦を打開して勝利。両選手とも、今季オールディフェンシブファーストチーム入りを果たした守備巧者である。

 とはいえ、ホリデーはこのシリーズで順風満帆に活躍してきたわけではない。サンズのディフェンスに苦しみ、リング下で何度もショットを決め切れずに落としてしまい、アウトサイドからのショットもリングに嫌われることが多々あった。

 第4戦ではフィールドゴールわずか20.0パーセント(4/20)と絶不調。それでも、クリス・ポールにはハーフコート付近から激しいチェックで食らい付き、リバウンドやブロック、スティールといったディフェンス面やハッスルプレーでインパクトを残してきた。

「結局のところ、僕はどんなことであろうとチームを助けることこそが最も重要なんだと感じている。前試合では20の4だったけどチームは勝てた。僕は得点以外でもゲームに影響を与えることができると分かっている。それに自分のショットが決まれば、他の選手たちのプレーメイクもしようとする。それは間違いなく、ボーナスのようなものさ」とホリデー。

 サンズとの頂上決戦も終盤に差し掛かり、キャリア12年目のベテランは「今は自分たちの全てを捧げなきゃいけないんだと感じている。文字どおり、僕らはラストゲームあるいは最後の2試合に向かっている。ここまでくると、言い訳なんて許されないのさ」と話している。

 21日にホームで行なわれる第6戦で決着をつけるべく、ホリデーをはじめとするバックスの選手たちはモチベーションを高めているに違いない。

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