ミルウォーキー・バックスに1971年以来のNBAタイトルをもたらしたヤニス・アデトクンボ。昨シーズン終盤より絶好調を維持するフェニックス・サンズと激突したNBAファイナルでは、1試合平均35.2得点13.2リバウンド5.0アシストというエースの名にふさわしいパフォーマンスを披露。無論、獅子奮迅の活躍には手放しの賛辞が贈られ、満場一致でMVPに輝いた。
チームと個人で2冠を達成したバックスの背番号34は、優勝を決めた翌朝、大切なトロフィーを抱えてアメリカ最大級のチキンファーストフードチェーン『チックフィレイ(Chick-fil-A)』へ向かい、その様子をインスタグラムでライブ配信した。
Giannis took the trophies to Chick-fil-A and ordered 𝐞𝐱𝐚𝐜𝐭𝐥𝐲 50 nuggets.
Amazing scenes 😂 pic.twitter.com/PSAMuoO3TM
— SportsCenter (@SportsCenter) July 21, 2021
地元の大スターはその存在感から、いとも簡単にファンに発見されてしまう。しかし、アデトクンボはそれに一切の嫌悪感を示すことなく、車窓越しにファンとコミュニケーション。昨夜の優勝の熱気が未だ冷めぬファンたちも不意の遭遇に興奮が隠しきれない様子で、アデトクンボは写真撮影に応じたり、トロフィーを触らせたりと彼らを歓迎した。途中、ファンたちに前方を塞がれた際には、バックスファンお馴染みの「Bucks in 6」のチャントを大合唱。惜しみないファンサービスでミルウォーキーのファンたちに感謝の気持ちを伝えて回った。
また、オーダースポットにおける従業員とのやりとりもネット上では大きな話題となっている。アデトクンボは、注文を聞きにきたスタッフに対して以下のようにリクエストをした。
「チックンミニズ(ナゲットサンド)が50ピース欲しい。ぴったり50ピースで頼むよ。51でも、49でもないからね」
「あと、ラージサイズのドリンクで、ハーフスプライト、ハーフレモネードは氷抜きでお願い」
ナゲットサンドのオーダー数“50”は、優勝を決めたGame 6における自身の50得点にちなんでのことと推測して間違いない。また、地元紙『Milwaukee Journal Sentinel』によると、ミルウォーキー内にある『チックフィレイ』の一部店舗は、ヤニスが注文したスプライトとオリジナルレモネードのハーフ&ハーフを「50-50」と題したチャンピオンドリンクとして提供することをアナウンスしている。
加えて、ユニークなデータを提供する「MVP」は、ライブ配信の様子が各種SNSで拡散されたことで『チックフィレイ』が広告的に大きな恩恵を受けていると指摘。アデトクンボはこれに対して、「チックフィレイの生涯無料券もらえるよね?!!」とアピールしたが、そこに『チックフィレイ』のライバル企業『カルバーズ(Culver’s)』が我こそはとリプライを重ね、「生涯無料で食事を提供できることを光栄に思います。私たちの故郷へ対するあなたの忠誠心に感動しています」と、MVPにラブコールを送った。
@giannis_an34 How about one better? Culver’s of Shorewood co-owner George Dimitropoulos would be honored to offer you free food for life. Your loyalty to our home state is inspiring! Shoot us a DM so we can connect. pic.twitter.com/WOFdzcf4zg
— Culver's Restaurants (@culvers) July 23, 2021
優勝からまもなく、SNSを盛り上げたアデトクンボとファーストフード店の庶民的なトピックス。そこから垣間見えた彼のオープンで優しい人柄にもMVPを授与したい。
文=Meiji