川崎ブレイブサンダースから白星を挙げるなど残留プレーオフ回避へ全力を注いだものの、あと一歩及ばなかった富山グラウジーズ。シーズン前半に喫した14連敗が響いたが、最終節も三遠ネオフェニックスから1勝をもぎ取った。城宝匡史の負傷離脱以降、岡田優の得点力が安定しているのは明るい材料で、三遠戦も1戦合計30得点。今季“トリプルダブル”を達成した宇都直輝とサム・ウィラードも好調を維持しており、B1残留へ視界は開けている。
富山が迎えるのは、リーグ最下位に沈んだ仙台89ERS。10連敗以上が2度と、苦しいシーズンを過ごした。坂本ジェイが離脱したこともあり、日本人選手のサイズ不足という課題を最後まで解決できなかった。それでも、坂本に代えて獲得したグレッグ・マンガーノが調子を上げており、最終節は栃木ブレックスから1勝を挙げた。その試合では、シーズン終盤にケガに悩まされたウェンデル・ホワイトも27得点と本領を発揮。富山にとっては大きな脅威となる。
今季の対戦は仙台が1戦目を3点差でものにしたが、2戦目は富山が24点差の大勝。その2戦目は仙台が石川海斗、富山が城宝を欠いた。城宝は今回も欠場の見込みとあって、石川が存在感を発揮できるかがカギになりそうだ。
文=吉川哲彦