「美チア大集合!」第4弾はアルビレックスチアリーダーズの棚橋笑里夏さん。中学、高校はバレーボール部に所属し、「全国大会にも出たことがあるくらいバリバリのアスリート」だったという。そんな彼女がチアリーダーを始めたきっかけ、アルビレックスチアリーダーズの特徴など、様々なことを語ってくれました。
インタビュー=バスケットボールキング編集部
写真=新潟アルビレックスBB
――チアの活動目的や、試合での活動について聞かせてください。
棚橋笑里夏(以下棚橋) アルビレックスチアリーダーズは創設17年目を迎えますが、サッカーのアルビレックス新潟と、バスケットボールの新潟アルビレックスBBの専属プロフェッショナルチアリーダーズとして活動しています。その他、イベントやボランティア活動にも積極的に参加しています。というのも、アルビレックスチアリーダーズは国内では珍しく、企業として独立しているんです。ですからプロスポーツだけでなく、企業のイベントや、福祉施設などにも呼んでいただいて、年間で約120回稼動しています。
――かなり多いですね。それだけ練習も厳しいのですか?
棚橋 そうですね(苦笑)。チアリーディングは単なる応援団じゃなくて、スポーツを応援する唯一のスポーツで、チアリーダーはアスリートだと思っています。私たちはそれぞれが自分の仕事を持つ中、どこよりも練習しているという自負があります。木曜日と金曜日の夜にそれぞれ2時間と、土日は試合やイベントの出演がない限りは朝の9時から夕方の5時まで練習しています。それでも足りない時は、夜の9時まで12時間練習することもあります。
今季のチームが掲げている目標は『一流』です。NBAでのチア経験を持ちプログラムディレクターを務める平田恵衣から「このチームを一流にしたい」と言われていて、メンバー全員もそうしたいと思っています。メンバーの一人ひとりが自信を持って全国、世界にも羽ばたけるような一流のチアになることを目指しています。例えば、年間120回の出演があって練習時間がどうしても足りないときがあります。これまでは少しズレていてもそのままにしていたところをきっちりやるなど、細かいところにまでこだわっています。
――時間がない中で練習に取り組むのは大変ですよね。
棚橋 とにかく土日は空けておいてと言われています。テストや仕事がある場合は仕方ないですが、それ以外の時間は全部チアに費やしていて、プライベートの時間はほとんどないですね(笑)。サッカー、バスケのホームゲームにはすべて出演させていただいていますので。
――アルビレックスチアは毎年オーディションを実施しているようですね。
棚橋 はい。ですので、何年続けていようと、来年継続できる保証はないんです。本場アメリカのチアでも1年に1回のオーディションを行って馴れ合いを作らないようにしているんですね。毎年リセットしていくことで、気持ちを新たにスタートできたり、気合いを入れ直したりできると思っています。
――子どもの頃からダンスをやっていたんですか?
棚橋 中学、高校はバレーボール部に所属していて、全国大会にも出たことがあるくらいバリバリのアスリートでした(笑)。ダンスは未経験でしたが、以前務めていた、加茂市観光大使として一緒に活動したメンバーの中に、アルビチアのOGの方がいたんです。その人に自分の小さいときからの思いを明かしたら、アルビチアを勧めてくれたんです。すごく魅力的に感じて、ホームページで調べたら大人向けのスクールもやっていると知って、すぐに入校の申し込みをしました。ダンス経験が一切なかったにも関わらず、スクールに1年通えばオーディションに受かるかもしれないっていう変な自信を持ってしまって(笑)。
――それから6年経て、今はどのようなことを考えてお客さんの前に立っていますか?
棚橋 ブースターの方の表情を気にしています。バスケはお客さんとの距離が近いので、表情や、目が合っているかというのが結構わかるんです。私は目の前の人全員と目を合わせるようにしていて、ホームアリーナのアオーレ長岡の、3階席の一番後ろに座っている人にも目を合わせるんだという気持ちで取り組んでいます。あとは、「自分が踊って気持ちいい」というのは、チアリーダーではないので。このダンスを見せたら楽しんでくれる、このダンスをしたらブースターの気合が入るなど、そういったことを考えています。
――アルビレックスBBは、Bリーグが誕生したことで環境の変化もあったと思います。
棚橋 正直言えば新潟はサッカーの方が印象強くて。私たちはチアリーダーとしてサッカーもバスケも応援していますが、全然興味ない人でも「アルビレックス新潟勝ったね」、と話すことはあっても、「アルビレックスBB勝ったね」ということは少なく寂しいなと思っていました。でも、Bリーグになってから「昨日の試合はすごかったよね!」といった声をすごく聞くようになって、やっぱり注目されているなと感じます。
個人的には、私は長岡市出身ということもあって、新潟市にはサッカーがあるけど、長岡市はバスケがあるぞと。地元がバスケで盛りあがっていることを肌で感じますし、さらに盛りあげたいなと思っています。チアもインスタグラムやツイッターで「#Bチア」というハッシュタグができたり、テレビや雑誌でチアリーダーの特集が組まれたり。チアリーダーが注目されているのを感じます。これがバスケを好きになってもらうきっかけになったらと思っています。例えば、チアリーダーを目的にバスケを見に行くことになり、バスケの試合ってこんなに楽しいと気づく、というのもありだと思います。
――最後にメッセージをお願いします。
棚橋 まだアルビレックスBBの試合を観たことがない人には、とにかく一度会場に来てほしいです。きっかけは「時間があるから」でも、「学生時代にやっていたから」でも、何でもいいです。そして試合はもちろん、私たちのパフォーマンスにも注目してください。