2018.02.08

緻密なセットプレーから生まれたアームストロングのアリウープ『BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK』

B3リーグ大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ

毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第18節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。

解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ

【5】#3藤高宗一郎による、チームの士気が高まるワンハンドダンク(西宮ストークスvs大阪エヴェッサ GAME2)

西宮が20点差を詰めようと速いテンポの攻撃を仕掛け、レイアップシュートを成功させる。しかし、ディフェンスのピックアップが遅れてしまい、先に走った#3藤高選手がオープンに。パスをもらうとドリブル2回で加速し、思いきり片手でダンクシュートをたたき込んだ。遅れてブロックショットに来た選手も間に合わず。大阪にとって気持ちの入るこのダンクシュートでベンチとブースターは総立ち。現状を打破するべく、チームの勢いが変わった瞬間だった。

【4】#0藤井祐眞の前半21得点と大車輪のプレーを締めくくるブザービーター3ポイントショット(島根スサノオマジックvs川崎ブレイブサンダース GAME2)

島根がタフショットを次々と決める怒とうの攻撃を、藤井選手が自らの地元凱旋を祝うかのように得点を取り続けた。第2クォーターの終わりは、やはり絶好調の#0藤井選手に託される。残り10秒でボールをもらうと、3秒ほどゆっくりとドリブルしスクリーンを待った。右から左へのクロスオーバードリブルとボールスクリーンを使ってディフェンスを置き去りにし、3ポイントラインの外から前に飛ぶようにシュート。ブザーと同時にボールがリングに吸い込まれると、そのインパクトに会場は静まり返った。選手層の厚い川崎の中で前半フル出場し、結果を出した超攻撃型ポイントガードの恐ろしいまでの実力を見た。

【3】シューターとしての大切な要素が詰まった#14金丸晃輔選手のバスケットカウントジャンプショット(シーホース三河vs栃木ブレックス GAME1)

激しいディフェンスから速攻で得点を重ねる栃木に対して、その激しいプレッシャーをテクニックで決め返す三河という緊迫した第1クォーター。残り4分に#14金丸選手がジャンプしながらトップでボールを貰い、着地の瞬間にステップで右にドライブするフェイントを掛け、素早く左にドリブルをついた。止まってジャンプシュートを打とうとした際、フェイントに掛かったものの、#9遠藤祐亮選手がシュートチェックに戻ってきた。すかさずポンプフェイクをし、ディフェンスをシュートチェックに飛ばした。そして、相手にぶつかりながらも、しっかりとシュートを打って決めて見せた。ボールの貰い方や、振り切った後にディフェンスを感じ取り、丁寧にシュートまで持っていく、トップレベルの駆け引きが詰まっているワンシーンとなった。

【2】復帰初戦から見せた#8エグゼビア・ギブソン選手のプットバックダンク(西宮ストークスvs大阪エヴェッサ GAME1)

第3クォーター残り1分40秒、外国籍選手とのミスマッチを突こうと、NBA挑戦から戻り加入した#8ギブソン選手にポストでボールが渡る。西宮は当然、警戒をして近くの選手がヘルプに。ここで注目したいのは#1今野翔太選手。ポストにボールを入れた後、トップの選手にスクリーンを掛けに行っている。その際にディフェンスが#8ギブソン選手を警戒してヘルプに寄っているのを見逃さず、ゴールに飛びこんでボールを貰った。シュートは落としてしまったが、#8ギブソンがパスの後にゴールに飛びこみ、左手でリバウンドをキャッチしてそのままゴールに押し込んだ。以前日本でプレーしていた時よりも機動力が上がっているギブソン選手は、他チームのスカウティングに彼のオフェンスリバウンドの脅威が加えられただろう。

【1】仕事人、#30ヒルトン・アームストロング選手のバスケットカウントのアリウーププレー(琉球ゴールデンキングスvs京都ハンナリーズ GAME2)
第4クォーター残り6分17秒、琉球のサイドプレーから。ペイント内にいる#34ジョシュア・スミス選手を振り切り、#0石崎巧選手にボールをつなぎ、ボールスクリーンを掛けた。スクリーン後に#30アームストロング選手に対して#51古川孝敏選手がバックスクリーンを掛けたことで、アームストロング選手がフリーに。アリウーププレーが生まれた、深い位置にいた京都の選手が手を出したが、高く飛んだ#30アームストロング選手を止めることができなかった。一瞬の出来事だが、ボールを持っている#0石崎選手も、スクリーンを掛けているシューターの#51古川選手もフリーにしたくないので、ディフェンスにとって判断に困るセットプレーである。ダンク成功後はベンチに向かって両手で“波動”を送ると、ベンチメンバー全員が倒れこむパフォーマンス。今回のシュートが2戦で唯一のフィールドゴールであり、勝利のためにリバウンドを10本以上も取り、スクリーンやディフェンスで献身的にプレーを続けた#30アームストロング選手。彼がどれだけチームメートに受け入れられているかがうかがえるシーンでもある。

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