毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第20節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。
解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ
【5】#9ベンドラメ礼生の好調さを物語る3ポイントブザービーター(サンロッカーズ渋谷vs琉球ゴールデンキングス GAME2)
第1クォーター終盤、琉球がショットクロックをしっかり使いインサイドで得点を挙げたのは残り4秒。#7伊藤駿選手が失点後すぐにボールを受け、先に走っていた#9ベンドラメ選手にボールを飛ばす。受けたときは残り1.2秒。冷静に1回ドリブルをして、上がりながら打ったシュートが高いアーチを描きゴールに吸いこまれた。ディフェンスの手もしっかり上がっていたが、横に流れながらもしっかりとフォロースルーまでできている。#9ベンドラメ選手はこういう思いきりのいいシュートを決めることができる選手で、千葉ジェッツとの第11節第2戦で21得点を取った翌週からスタートに起用された。このゲームで23得点を記録した#9ベンドラメ選手が先発奪取へのアピールを果たした。
【4】#2ドゥレイロン・バーンズの3人をかわすユーロステップ(西宮ストークスvs京都ハンナリーズ GAME2)
第2クォーター残り3分18秒、西宮のボール。#2バーンズ選手がトップで#55キャメロン・リドリー選手とのボールスクリーンプレーを使った。スクリーナーについている#34ジョシュア・スミス選手が出て来たが、そのままドリブルを止めずに#34スミス選手が戻ったところをさらに中に割って入った。ヘルプに来た#7晴山ケビン選手が正面に立つが外側の足で蹴ってユーロステップでかわし、2人のディフェンスに叩かれながらフックシュートを決めきった。ここではボールスクリーンでできたズレで、ディフェンスを横に背負ったままドリブルで中に入っていったポジション取りと、チャージングをしないようにさらに中に踏みこんだ際、ボールをしっかりと抱えこんで守っている#2バーンズ選手の驚異の得点感覚を見た。
【3】#12ハッサン・マーティン選手の滞空時間の長いプットバックダンク(サンロッカーズ渋谷vs琉球ゴールデンキングス GAME1)
両チームともにプレッシャーを掛け合い、激しいゲーム展開の第4クォーター残り4分10秒。セットプレーのズレから#24田代直希選手がドライブで切りこむ。左手で放ったシュートが落ちた瞬間、#12マーティン選手がベースラインギリギリから飛んでリバウンドを拾い、両手でそのままリングに叩きこんだ。豪快なダンクシュートのパワーでゴールが壊れそうなほど揺れ、SR渋谷は精神的にも点差にもたまらずタイムアウトを請求。激しいプレッシャーに対して賢くカウンターで中にドライブした#24田代選手と、仲間のシュートへフォローしている#12マーティン選手の献身的な姿勢を見た。
【2】#8村上直選手の電光石火のバスケットカウントショット(シーホース三河vs富山グラウジーズ GAME2)
Bリーグ屈指のスピードとクイックネスを兼ね備えた#8村上選手。この日も彼がコートに入ると、流れがガラッと変わった。第2クォーター残り1分56秒、サイドからのセットプレー。味方がとおりすぎたあと、ドアを閉めるようにスクリーンを掛ける「エレベータープレー」で#16松井啓十郎選手に打たせようとするが、富山のディフェンダーがトップに出てパスコースを塞いだ。それを見た#8村上選手はスクリーナーだった#5アイザック・バッツ選手にパスを出すと、すぐに飛びこんでパスを貰いシュート。止めにきた#45デクスター・ピットマン選手にぶつかりながらも、空中で余裕を持ってレイアップシュートを決めた。ここはディフェンスを見て、素早くエントリーを変える判断をしたこと、自身のスピードを活かして素早く飛びこんだこと、大きな外国籍選手でも物応じせずぶつかってシュートを決めきる度胸が素晴らしい。#8村上選手は、何かを犠牲にしなくては守れない最も止めにくい選手の一人である。
【1】17点差を追う中、#44スコット・モリソン選手が決めた逆転ダンクシュート(三遠ネオフェニックスvs横浜ビー・コルセアーズ GAME2)
横浜の攻撃を耐え凌いでリバウンドを取ったのは試合終了残り18秒。#5川嶋勇人選手がボールを受けるとトップでボールスクリーンプレーを選択。スクリーンがしっかりと掛かりヘルプに出た#4ジェフリー・パーマー選手を抜くと、#45ウィリアム・マクドナルド選手がヘルプに来る。それを見た#5川嶋選手はノールックでゴール下にいる#44モリソン選手へパス。ほぼノーマークとなった#44モリソン選手は両手でしっかりとダンクシュートを叩きこんだ。ここでは#5川嶋選手の直前までレイアップで決めてやるという雰囲気が出て、2人のディフェンスが空中で釣られてぶつかってしまうほどしっかりスピードと視線を作っている。