水曜開催のBリーグ第25節、横浜国際プールでの今季最終戦となった横浜ビー・コルセアーズが三遠ネオフェニックスとの熱戦を87-84で制した。10連敗の苦境にピリオドを打ち、残留プレーオフ出場圏内からの脱出に向けて一歩前進した。
第1クォーターは一進一退の攻防。今季初めてスターターに名を連ねた竹田謙があと1点に迫っていた通算3000得点を開始早々に達成。その後3ポイントの打ち合いが続く中、鈴木達也の連続得点で三遠が一歩抜け出す。横浜も川村卓也のバスケットカウントなどで追いつくが、鈴木の3ポイントで三遠が22-25と再びリード。
第2クォーターも序盤はせめぎ合いが続くが、横浜が徐々にディフェンスで流れをつかむ。ハシーム・サビート・マンカの高さも攻守両面で活き、三遠はこのクォーターだけで7ファウル。フリースローで着実に得点を伸ばした横浜が前半は47-37と10点リードした。
しかし第3クォーターは形勢逆転。ロバート・ドジャーが3本の3ポイントをすべて決めたほか、川嶋勇人も得点を重ね、残り2分には逆転に成功する。そこからは互いに譲らず、69-68と横浜の1点リードで第3クォーターが終了。
勝負の第4クォーターはスコット・モリソンのダンクで三遠がリード。それに対し、横浜もサビートがゴール下のモリソンに立て続けにブロックを浴びせて対抗。しかし川嶋の連続得点で6点差をつけられ、横浜は崩れかける。その窮地を救ったのはやはり川村。連続3ポイントで一気に追いつくと、その後も「外す気がしなかった」(川村)と外角シュートを続けてねじこむ。3点リードの残り29秒にはドジャーのレイアップをサビートが弾き返し、横浜がリードを守りきった。
11試合ぶりとなる勝利に、尺野将太ヘッドコーチは「いつもなら崩れていたシチュエーションが今日も何度かあったが、それをチームとして乗り越えることができた。第4クォーターは最後までディフェンスで集中していた」と、チームのステップアップを感じた様子。「ちょっとだけホッとした。今シーズン最後の国際プールで、ブースターの皆さんに笑顔で帰ってもらえたことに満足している」と語った川村は、平日開催で試合終了時間が遅かったこともあり「さあ、早く帰って気持ちよく寝よう!」と声のトーンを上げて会見を締めくくった。
チームの手応えとともにエースの笑顔も甦り、自力でのB1残留に向けて横浜が新たなスタートを切った。
文=吉川哲彦