2018.04.02

試合によって的確に順応、相手に脅威を与えるロシターの“飛び道具”

31日の試合では放った4本の3ポイントシュートをすべて成功させた栃木のライアン・ロシター [写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 3月30日と31日に墨田区総合体育館で行われたサンロッカーズ渋谷とのB1リーグ第26節で連勝を果たした栃木ブレックス。23点差をつけた1戦目に比べると、一時3点差まで迫られた2戦目はやや苦しんだようにも見える。しかしそこで逆転を許さず、追いあげられてもその都度突き放せるのが今の栃木の強さだ。

 その強さの象徴はディフェンスなどの体を張ったプレーだが、その上で得点を取らなければ突き放すことはできない。この試合では田臥勇太ライアン・ロシターがその役割を担い、特にロシターは相手に大きなダメージを与えた。第2戦の各クォーターに1本ずつ放った3ポイントをすべて成功させているが、第1クォーターに6点差まで詰め寄られた後の1本を皮切りに、第2クォーターは11点差、第3クォーターと第4クォーターは10点差にそれぞれ押し戻すという、いずれも相手の反撃の気勢をしぼませる効果的な一撃だった。

チームの中心として活躍するロシター [写真]=B.LEAGUE

 この試合も含め、今季のロシターは3ポイントの試投数が1試合平均2本に満たず、4本以上打ったのは47試合で5度のみ。この日、積極的に3ポイントを狙った理由を、ロシターはこう語った。

「中に切れこんでいくことがなかなかできなかったが、その分、ディフェンスとの間に距離がある状況になっていた。自分がアグレッシブにシュートを狙っていくことに関してはコーチもチームメートも信頼を置いてくれているので、自信を持ってしっかり打つことができた。試合前のアップの時に『ちょっとエナジーが足りない』ということを(ジェフ)ギブスとジョーク交じりに話していたりもしたんだが、試合に入ってみたら序盤からアグレッシブにいくことができたので、試合をとおして続けていこうと思ったんだ」

 本数は決して多くないものの成功率も昨季の28.4パーセントから35.8パーセントまでアップし、今や武器の一つにもなっている感のある3ポイント。その要因として、「ギブスがインサイドで存在感を発揮してくれているので、自分もアウトサイドでのプレーができる」と特にオンザコート2の際に幅の広いプレーができていることを実感しているが、「アウトサイドからシュートを打った後にオフェンスリバウンドに飛びこむか、ディフェンスに戻るべきかという判断もできているつもりだ」と、センターとしての自身の役割も忘れていない。

ギブスをおとりにアウトサイドでも存在感を発揮 [写真]=B.LEAGUE

 昨季(44.5パーセント)に続いて今季(43.1パーセント)も成功率が5割を切っているフリースローに比べ、「3ポイントのほうがイージーだね(笑)」と認めるロシター。シーズン終盤、その“飛び道具”は他チームにとってさらに脅威になりそうだ。

文=吉川哲彦

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