2018.05.04

CSをにらんだ一戦は新スタイルの川崎が千葉に勝利

日本を帰化を果たしたニック・ファジーカスが早速強みを発揮[写真]=B.LEAGUE
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 5月2日、千葉ポートアリーナにてBリーグ第31節、千葉ジェッツ川崎ブレイブサンダースが開催され、102-90で川崎が勝利した。

 地区優勝がかかった千葉と、CS準々決勝のホーム開催権を得るためにも負けられない川崎。CSでの再戦の可能性が両チームの対戦は、平日ナイトゲームにも関わらず6,036人の観客を集め、その期待を裏切らない好ゲームとなった。

 川崎は、4月26日に日本国籍取得を発表したニック・ファジーカスが、この試合より帰化選手として出場。それまでの2-1-1-2というオン・ザ・コート(外国人選手出場制限)構成を1-2-1-2に変え、長身選手を常に2人コートに置けるようになった強みをいかんなく発揮した。

 ジョシュ・デービス(もしくはルー・アマンドソン)と同時起用されることで、ファジーカスは以前より高い位置でポジショニングし、持ち前のアウトサイドシュート力を発揮できるように。ディフェンスの意識がファジーカスのいるアウトサイドに移ったらすかさず、デービスとアマンドンソンでインサイドを突く。

 川崎の北卓也ヘッドコーチは「ニックが出ることでルー、ジョシュの強みが出た試合になった」と振り返っている。

ファジーカスと一緒に出られる時間が増えることで、北卓也ヘッドコーチは「ルー(アマンドソン)、ジョシュ(デービス)の強みが出た試合になった」と振り返った[写真]=B.LEAGUE


 一方の千葉の大野篤史ヘッドコーチは、リバウンドを敗因に挙げた。

 川崎がアマンドソン11本、ファジーカス10本を筆頭にトータル41本のリバウンドを奪ったのに対し、千葉はわずか22本。「ニックの帰化は大きな要因だけど、それ以前に、もっとリバウンドに対してしっかりフォーカスしなければいけなかった」。指揮官はそう悔いた。

 また、この日はポイントガードを務める富樫勇樹の3ポイントシュートが、8本のうち6本インと絶好調。「ハイピック」というフォーメーションを駆使してチャンスを作り、しっかり決めてはいるものの、ボールの流れが停滞したことで自らの流れを削ぎ、ディフェンスの的を絞りやすくさせたことも事実。大野HC、そして富樫自身も、この判断について疑問が残るというような主旨のコメントを残した。

 北HCは千葉に対して、「負けた次の試合で、ものすごくエナジーを出してくるチーム」という印象を持っているという。

 リベンジに燃える千葉が星を取り返すか。川崎がそれを積み重ねるか――。CSのカーディングは未定だが、ぜひその答えを知りたい。

この日の富樫勇樹は3ポイントが8本のうち6本インと絶好調だったが、チームに勝利を導けず[写真]=B.LEAGUE


文=青木美帆

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