Bリーグ 2017-2018はいよいよクライマックスを迎えようとしている。レギュラーシーズンが終われば、チャンピオンシップで優勝を争うクラブ、そしてB1残留を目指すクラブと大きく分けることができるが、プライドをかけた戦いであることに違いない。ここでは2季連続で残留プレーオフに立ち向かう横浜ビー・コルセアーズの若きエース、満田丈太郎と田渡凌の対談をお伝えしたい。“ヤング海賊”は何を思い、何を感じてシーズンを過ごしてきたのだろうか。
取材=バスケットボールキング編集部
写真=山口剛生、Bリーグ
なぜか気が合う2人が初めてチームメートに
――最初に自己紹介ではなく、それぞれを紹介していただけますか?
田渡 それでは行きます。満田丈太郎(みつだ・じょうたろう)、出身は田臥(勇太/栃木ブレックス)さんと同じ(横浜市立)大道中学、高校は北陸高校。1年生の時、無名の彼はウインターカップ準決勝で僕らが率いる京北高校戦に出てきて、いきなり10点くらい決められ負けるっていう時から僕は、「こいつは本当に腹立つやろうだな」って(笑)。そして、大学は筑波へ行って活躍して、アンダーカテゴリーでは世代ごとの日本代表にも選ばれてきました。ビーコルに入るまでは、あまりしゃべったことなかったよね!?
満田 そうですね、ほとんど。
田渡 で、ビーコルに来て仲良くなった(笑)。性格は、何て言うか…。
満田 宇宙人?
田渡 確かに変わっているといえば変わっているけど、嫌な意味で変わっていると感じではなくて、多分周りにジョーのこと嫌いっていう人いないと思います。
――それでは満田選手もお願いします。
田渡 楽しみ、これ(笑)。
満田 東京都、足立区生まれ、ミニバスは弥生第二(スポーツ少年団青空クラブ)出身。言わずと知れた小学校、中学校、高校で全国的に見てももう大スター。有名。中学校の時、月バス(月刊バスケットボール)見ていたら載っているし、すごいなって。みんなが憧れるガードでした。
田渡 毎試合前やろう、これ(笑)。
満田 実際、初めて試合をしたのが高校の時で。先輩がいる中で2年生ながらリーダーシップを出して、ガンガンアタックしてる姿を見て、「やっぱりすごいな」って。高校卒業後、アメリカの大学に進んで。そのころ、SNSにアップしていたのが、ジャパニーズ風なロン毛、ちょんまげみたいな。
田渡 (笑)。
満田 でも、それに憧れてちょっと髪を伸ばしたのですけど、結局途中で坊主になって諦めて(笑)。実際ビーコルで一緒にやらせていただくようになって、英語で外国籍選手とコミュニケーションが取れるし、練習から先輩後輩関係なくガンガン行くし。いろいろな意味ですごい!勉強になります。
――今ではどんな関係ですか?
田渡 そもそもそんなにしゃべったことがなかったので、「こいつこういうやつなのかな?」というところから入って。でも、今僕は一人暮らしなので暇になると、「今何してんの?」って聞いちゃいます。
――ご飯に行ったりとか?
満田 練習場の近くの銭湯に行ったりとか。
田渡 ちなみに、僕ら鎌倉2人で寺巡りもしています(笑)。ちょいちょい趣味合うよね。
満田 そうですね。話をしていて、「あれ? 意外」みたいな。
田渡 他にも財布の話もあるね。
満田 あ、そうだ、財布だ!
田渡 僕が去年の夏休みに台湾行った時に初めての給料で財布を買ったわけですよ。24、5になってこんな財布使っているやつ絶対いないだろと思ったのですが、その後、ビーコルに合流して、ジョーとご飯に行ったんですかね。そして、財布置いといたら、え?一緒みたいな。色も全部一緒で。
満田 全く一緒。
田渡 同じの使っているやつに会うと思わなかった(笑)。僕は台湾で買ったのに…
満田 僕は普通に日本で買っています(笑)。
――何か引き合うものがあるんですかね?
田渡 似てはいないけど、なんかそういうのあるよね。
満田 そうですね。ちょいちょい。
横浜のブースターは熱いし、ありがたい存在
――2人ともBリーグに入ってキャリアは短いわけですが、何か驚いたことはありますか?
満田 日本の大学にはフリースローの時にブーイングがないので。プロになって初めて受けたブーイングは圧倒的に「おぉ」って思いましたね。
田渡 僕はホームのユニフォームが白じゃないっていうのもびっくりしました。
満田 めちゃめちゃあります。最初の試合、僕白持っていきましたもん。
田渡 やっぱり横浜のブースターの皆さんはすごいよね。高校の時なども応援してくれる人はいましたけど、横浜みたいにどんなイベントでも来ていただいて、すごいよね。地方の試合でも絶対来てくれるし。負けてもいつも応援してくれてっていうのは、本当に申し訳なくなる時もあります。
満田 そうですね。負けているけども、ファンが反比例で増えていくっていうのは横浜らしい。
――チームのムードメーカーは?
満田 俺!?
田渡 ある意味だよ。ある意味そうかもしれないけど。でもやっぱり川村卓也さん。
満田 やっぱりエンターテイメントというか、盛り上げ方がとても上手だなって。
田渡 上手よね。でも、カバ(蒲谷正之)さんも結構ムードメーカーじゃない?蒲谷さん抜群に面白いんで。
満田 はい。面白いですね。
田渡 自分も自分で結構面白い方だと思っていたんですけど、いやぁちょっと一枚上行かれたなって(笑)。
――満田選手は横浜生まれですね? ご飯はどこに行ったりしますか?
満田 関内にトレーニングに行っているので、そのまま中華街に寄ったりします。この前、小籠包食べましたね。
田渡 僕はみなとみらいにめっちゃ行きますよ。超楽しいところありますよね?それに景色を見るのが好きなので、普通に夜景とか楽しんだりとか、映画観に行くとか。
田渡 ご飯も食べたりしますね。
満田 そうです、桜木町。
田渡 あと、普通にもう遊園地。コスモワールドも行きます。
――田渡選手は東京生まれですが、横浜での生活はどうですか?
田渡 アメリカで住んでいたのがサンフランシスコなんです。ご存じのように港町なんで、横浜ととても似ているんですよ。港があって、大きな橋があって。とても住みやすいし、将来横浜に住みたいなって思います。
――なるほど。一人暮らしはどうですか?
満田 テレビがないんですよ。
田渡 僕テレビ見ないです。アメリカに行っていたのもあると思うのですが、あまり見たい番組がなくて。変わりましたね、そういうところ。その代わり、パソコンでNetflixとかはめっちゃ見ますね。基本それでしか見てないですね。
海賊が最後はきっちり勝ちをもぎ取ります
――まもなくシーズンも終わりますが、開幕のころに比べてできるようになったこと、反対に見つかった課題は何ですか?
田渡 僕は1シーズンをとおしてコンスタントに活躍ができてないのが課題です。対戦相手はその都度代わりますが、その中でも常に同じようなパフォーマンスを発揮したい。これはチームの結果としても出ていますが、勝ててないし。やっぱり毎試合高いレベルのパフォーマンスを出せてないというのも原因の1つだと思います。個人的にもそれが一番の課題ですね。
満田 横浜に入ってディフェンスの大切さがわかるようになったのですが、少しでもスクリーンに引っかかってしまうと、すぐにシュートを打たれてしまいます。でも、そのシュートが入ってしまうとBリーグのシューターの人たちは手がつけられなくなってしまう。それをさせないようにしたいですね。自分は若いので、やっぱり足を使ってしっかり守りたい。試合の中でもアジャストできればと思っています。そして、攻める時はやっぱり先頭を走りたいですね。
田渡 外国籍選手のスクリーンはやっぱり強いよね。
満田 強いですね。
田渡 僕もアメリカの大学でプレーしていましたが、NBAクラスの選手がいたわけではないので、体重が170キロ、身長2メートル10センチみたいな選手にスクリーン来られると引っかかるわけですよ。それはやっぱ大変だよね。
満田 衝撃がすごくて声がなかったりとか。
田渡 いきそうになるよね。
満田 おぉって。むち打ちみたいな。
――いよいよ大切なゲームが近づいています。
田渡 「勝たなきゃいけない」、「何かやらなきゃいけない」となると考えすぎてしまうんです。すると、本来のプレーができなかったり、力が入ってしまうので。でも、そういうふうになるのは当然だし、当たり前だと思うんですけど、もうちょっとその戦いを楽しめるようになれたらなと思っています。緊張感を持って、大切な試合が続くので勝たなきゃいけないんですが、その緊張も楽みつつ、しっかり最高のパフォーマンス出せるように準備しておかなければと思っています。
満田 ルーズボールや球際の争いがチームにエネルギーを与えたりします。また、終盤の大切な場面で奪う1本のリバウンドで流れがガラって変わる時もあるので、こういうことにこだわりたいと思います。
田渡 チームが勝つためにね。
満田 そうです。チームが勝つために、その時々で何が必要なのかっていうのをしっかり考えて、どういうことをしたらチームにエナジーを与えられるかを実践したいと思います
――横浜のブースターは熱いことでも知られています。ブースターの皆さんにメッセージをお願いできますか。
田渡 なかなか勝てず本当に申し訳ないんですけど、最後は笑って終われるように死ぬ気でやるので、最後まで共に航海しましょう。
満田 僕らは海賊なので、良い時や悪い時の差が激しいかもしれないのですけど、ずる賢いところだったりとか、抜け目がないところっていうのもいっぱい持っています。しっかり最後は勝ちを奪って、みんなで祝杯を挙げられればと思っています。
田渡 ビーコルの大好きなところ1つ言っていいですか?やっぱり海賊だからか、宝を目指して欲望に溢れている。「まじ勝ちてぇ!」みたいな。
満田 そうですね。確かに。
田渡 スタッフ含めて、チーム全体で勝利を目指します。最後まで応援、よろしくお願いいたします。