B1リーグ第15節、12月22日に川崎市とどろきアリーナで行われた川崎ブレイブサンダースと名古屋ダイヤモンドドルフィンズの第2戦は、延長に及ぶ白熱した展開の末に川崎が勝利。連勝を狙った名古屋Dは延長で力尽き、91-101と最後は10点差をつけられた。
開始3分で7-0と、第1戦同様に立ちあがりは名古屋Dが先行した。中東泰斗が速攻のチャンスでダンクをミスするなど今一つ波に乗りきれないものの、ディフェンスは前日の強度を保ち、第1クォーターは16-12でリードした。
第2クォーターに入って2分で逆転されるが、5点リードされたところでタイムアウトを取って立て直しを図ると、クレイグ・ブラッキンズに3連続3ポイントが飛びだして勢いに乗り、44-37と逆にリードを広げて折り返す形となった。
第3クォーターではブラッキンズがこの試合5本目の3ポイントを決め、さらに中東がスティールからの速攻で今度はダンクを成功させ、リードは2ケタに広がる。しかしここから川崎が、今季初めてベンチ登録されたジュフ・バンバのブロックショットとリバウンドで息を吹き返す。名古屋Dは12点あったリードを5分間で吐きだし、63-63の同点で第4クォーターに突入した。
マーキース・カミングスの連続得点や安藤周人のドライブで得点を重ねる名古屋Dだが、ニック・ファジーカスにスイッチが入った川崎を止められず、試合は拮抗。1点ビハインドの残り9秒で得たフリースローをカミングスが1本外してしまい、同点で40分が経過する。そして延長残り3分12秒、カミングスがファウルアウトしたところで緊張の糸が切れた。
僅差の展開で勝敗を分けたのは、“経験値の差”。ファジーカスや篠山竜青ら主軸がNBL時代の優勝の味を知る川崎に比べ、名古屋Dはキャリアの浅い選手が多い。「川崎を相手にいいところも出せた」と試合を振り返った梶山信吾ヘッドコーチは、経験値で劣った点に関してもこの敗戦を成長に伴う痛みと捉えるなど、総じてポジティブに受け止めている。
「若い選手が多いので、こういう経験は財産になります。相手は勝ち方を知っている。それを直に感じて、僕たちも成長していかないといけないと思います。この負けを無駄にしてはいけない」
シーズンはまだ半分以上残っている。酸いも甘いもすべて糧にする名古屋Dが、レギュラーシーズン60試合を消化した時点で見せる姿は果たしてどのようなものだろうか。
文=吉川哲彦