CS進出のカギを握るアームストロング、コート内外で貢献度の高さを示す

211センチ107キロの体格を活かし、名古屋Dのゴール下を支えるヒルトン・アームストロング [写真]=B.LEAGUE

「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」進出に向けて激しいつばぜり合いの真っただ中にいる名古屋ダイヤモンドドルフィンズに頼もしい救世主が現れた。B1リーグ28節第1戦で敗れたサンロッカーズ渋谷へのリベンジを期して臨んだ3月17日、名古屋Dは立ちあがりからリバウンドを支配して徐々にペースをつかみ、持ち味の速攻と3ポイントで88得点を奪って快勝。その立役者となったのが、CSへのラストピースとして1月に加入したヒルトン・アームストロングだ。

 この日アームストロングがもぎ取ったリバウンドは実に24本。そのうち10本を数えたオフェンスリバウンドは確実に相手のリズムを狂わせ、名古屋Dを勢いに乗せた。「ヒルトンのリバウンドがチームを助けてくれた」と勝因の1つに挙げた梶山信吾ヘッドコーチは、その存在についても「ジャスティン・バーレルがケガで離脱してしまったところに入って戦術の幅を広げてくれましたし、何よりスクリーンをしっかりかけて味方を活かそうという姿勢が本当に素晴らしいので、他の選手からの信頼も厚い」と手放しで称賛する。特に若い選手にとっては、彼の態度が良い手本になっているという。

 本人によれば「キャリアハイの可能性はある。オフェンスリバウンド10本に関しては間違いなく初めてだね」とのこと。NBAで300試合近い経験があり、34歳とキャリアも長いアームストロングにとっても、リバウンドに関してはこの試合がベストの出来だったようだ。

14得点24リバウンドに3ブロックの活躍 [写真]=B.LEAGUE

「昨日負けてみんな悔しさがあったが、今日は『昨日できなかったこと、やらなければいけないことをやって、楽しくプレーしよう』という話をした。昨日もリバウンドは取れた(13本)がそれでは足りなかったので、とにかくアグレッシブにボールに向かっていこうと意識していた」

 アームストロングのチームへの貢献はプレー面や、梶山HCも触れたプロとしての姿勢だけにとどまらない。この日の試合後のファンへの挨拶でヒーローとしてマイクを渡されたアームストロングは、その最後にファンの間ではよく知られている『かめはめ波』のパフォーマンスを披露。そのキャラクターで、チームの明るい雰囲気をさらに良くしている。

「このチームはみんな楽しもうとしているし、普段から笑っていることが多い。僕も常に笑っていないと面白くないので、すごくフィットしていると思うよ」

 コート内外で貢献度の高いアームストロングが、CS進出の大きなカギを握っていることは間違いない。

17日の試合後には『かめはめ波』を披露し、チームメート、観客を沸かせた [写真]=B.LEAGUE

文=吉川哲彦

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